快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた

3000万円超えモデルも登場か ミニバンの頂点「レクサスLM」が何よりも優先した乗員の快適性

レクサスLM、空力性能を考慮し、レクサスならではのデザインテイストを散りばめた気品あるエクステリアの存在感

レクサスLM、空力性能を考慮し、レクサスならではのデザインテイストを散りばめた気品あるエクステリアの存在感

 トヨタ・ブランドの高級ミニバン、アルファードをベースに仕上げられている「レクサスLM」。その名の由来は「Luxury Mover」であり、まさに“ミニバンの頂点”とも言われるモデルだ。これまでは中国や東南アジアなどで販売され、富裕層のファーストクラス・ムーバーとして超が付くほどの高い人気を得ていた。日本には未導入だったが、新型にモデルチェンジされることを機に、今秋の登場が見込まれている。シリーズ「快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた」。今年4月に開催された上海モーターショーで世界初公開されたレクサスの新型LMを、自動車ライターの佐藤篤司氏がレポートする。

ミニバンの価値は“いかに寛ぎながら移動できるか”

 これまで、クルマの価値観について語ろうとすると、ほとんどの場合、主役はステアリングを握るドライバーでした。当然のように走行性能が優れ、圧倒的に速かったり、スポーティであったりすることが、評価の中心に置かれ、クルマの価値が語られてきました。そんな状況では、ドライバー以外の乗員の気持ち良さや快適さを最優先に評価することはほとんどなかったはずです。

 それが1990年代のホンダ・オデッセイが火付け役となって起きたミニバン・ブームによって「乗員の快適さや実用性の高さ」といった価値に関心が集まり、現在ではミニバンが、ファミリーカーの主役となっています。乗員のくつろぎ空間としてどんな仕様になっているのか? シートレイアウトや荷室の使い勝手は? などなど“いかに寛ぎながら移動できるか”が第一義の価値となったわけです。そしてミニバンの頂点にあり、憧れの存在とも言われているのがトヨタの高級ミニバン、アルファード/ヴェルファイアです。ファミリーが休日に楽しく移動するだけでなく、企業の管理職やセレブの移動用としても重宝され、人気となっています。

 そのアルファードをベースにミニバンを仕上げたのが「レクサスLM」と言うことになります。レクサス・ブランドにミニバンは似合わない、という人もいるでしょう。しかし、ヨーロッパやアメリカなどより平均速度が低く、都市間移動や国境を超えるような高速での長距離移動の機会が少なく、渋滞も多いアジア市場では、走行性能の高さより居住性の高さが最優先であり、そこにかなり需要があったのです。事実、背が高くキャビン空間が広々としていれば、くつろぎのスペースは広くなり、まさにファーストクラス・キャビンが実現でき、それだけで十分に満足できることになります。

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