吉田みく「誰にだって言い分があります」

脱コロナ禍で悩みのタネとなる「厄介な親戚づきあいの再開」 義実家への帰省予定に気が重くなる妻の憂鬱

夫の煮え切らない態度が妻の怒りの火に油を注ぐことも(イメージ)

夫の煮え切らない態度が妻の怒りの火に油を注ぐことも(イメージ)

帰省をめぐり夫婦に亀裂

 ユウコさんの気持ちに反して、夫はにこやかな表情で義母との電話を楽しんでいたそうだ。「以前お邪魔した際、私が普段作る食事よりも、義母のおもてなし料理のほうがおいしかったようで、箸が進んでたくさん食べていました。夫は4年ぶりに味わえる母親の料理が楽しみなのでしょう」とユウコさんは話しており、義母に少々嫉妬しているようにも聞こえた。

 義実家へ行くならば、ユウコさんも自分の実家へ行きたいと話したそうだ。しかし夫は渋り、なかなかゴーサインを出さなかったという。基礎疾患のある両親が心配で様子を見に行きたいというのが本音だっただけに、夫の態度には腹が立ったと話していた。

「夫が『ユウコの実家に行くには飛行機だから旅費が高いなぁ』と言い出しました。たしかにハイシーズンの飛行機代は片道2万円を超えるので高いですが、私だって3年以上両親に会っていないので今年こそ会いたいです。夫の実家は車で片道2時間の距離にあるので行きやすいほうではありますが、不公平ではないでしょうか」

 他にも、「俺がユウコの実家に行ってもやることないし……」「お盆休みくらいゆっくりさせてよ」などの言い訳をたくさん並べてきたそうだ。ネガティブな言葉を聞けば聞くほど気持ちが落ち込んだという。うんざりして途中で話し合いをやめてしまい、夫婦一緒に実家へ帰省する話は断念した。

 この一件から夫婦間に亀裂が入ったと話すユウコさん。現在、夫だけを義実家へ向かわせることができないか思案中だそうだ。そして、「何を言われても、次のお盆には私一人で実家へ帰省する」と意気込んでいた。

 新型コロナの「5類移行」は嬉しい反面、面倒な人間関係が再開することに気重な人は多いのではないだろうか。それがユウコさんのように義実家が相手だと難しい問題ではある。コロナ前の生活に戻りつつある今、今後はどのように立ち回っていくのが相手や自分にとっていい形なのか、一度考え直す機会なのかもしれない。

【プロフィール】
吉田みく(よしだ・みく)/埼玉県生まれ。大学では貧困や福祉などの社会問題を学び、現在はフリーライターとして人間関係に独自の視点で切り込んでいる。マネーポストWEBにてコラム「誰にだって言い分があります」を連載中。趣味はドライブをしながら道の駅を巡ること。

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