投資

「個社要因」「需給」「地合い」 株価を動かす3つの要因を理解すれば投資のポイントが見えてくる

【主な要因3】地合い要因

 地合いとは、株式相場全体の好不調を表します。例えば取引が活発で、株価が上昇すると「地合いがよい」といわれ、反対に、取引量が少なく、株価が下落していると「地合いが悪い」といわれます。

 また、別の表現方法として「地合い=相場」と考えて問題ありません。単純に、日経平均株価の上下やS&P500の上下で考えてもいいでしょう。企業の優秀さに関係なく、株式自体が買われやすいor売られやすい状況があるのです。

 近年でも、米国と中国の対立やウクライナとロシアの戦争、新型コロナの流行、消費者物価の高騰などが挙げられます。そのような材料が引き金となり、マーケット全体が上下するということです。経済に悪影響が出そうな不安定な状況下では、「株に入れていたお金を回収する=株が売られる」動きになりやすいです。

 株式投資を1年以上している方であれば、同じ手法でもなんとなく調子がいい時期と、いくら頑張っても損ばかり出る時期を経験しているはず。それには銘柄選定の問題のほか、地合いが絡んでいることが多いのです。

 いくら優秀なF1マシンでもハリケーンの中では走れないように、あるいは、いくら優秀な証券営業マンでも小学生相手に投資商品を売れと言われたらなかなかできないといったように、環境が合っていないと投資で利益を出すのは難しくなります。そして、長年利益を出している投資家は、この地合いの捉え方が上手いです。

 ここ10年は不動産投資がブームとなりましたが、2011年頃まではリーマンショックの余波などもあり、市場環境は最悪でした。元値よりも安くなった物件が、ゴロゴロしていたのです。

 しかし、2012年にアベノミクスという大規模な金融緩和が起こった時、不動産価格は急上昇しました。翌2013年には東京オリンピックの2020年開催が決まり、それも不動産へマネーが流れる理由になりました。バブルの始まりです。勘のいい不動産投資家は、そこで買い付けをしています。一方で、オリンピックが終わり、価格が高騰しているタイミングで不動産を買うという投資家もいます。

 どちらが利益を順調に出せているかはもうおわかりですよね(今後数十年にわたりバブルが続く可能性もありますが)。よい銘柄を見つける必要があるのは大前提ですが、株価が上がりやすい状況に投資することが重要です。裏を返せば、業績がよくても株価が下がってしまう場合は、個社要因以外に地合い要因が絡んでいないか、考えるようにしましょう。

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