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連絡帳は平仮名だらけ、領収書は誤字だらけ… 増殖する「漢字が書けない大人たち」の苦労と子供たちへの悪影響

手書きをする機会が減ったことで、漢字が書けなくなっている大人は少なくない?(イメージ)

手書きをする機会が減ったことで、漢字が書けなくなっている大人は少なくない?(イメージ)

 インターネットやパソコン・スマホが普及し、“手書き”をする機会が激減している。そうしたなか、いざ手書きすることになったとき、「漢字が書けなくなっている」ことに気がついたという大人たちは少なくないようだ。もちろんわからなくてもその都度、調べて書けば、大きな問題はないかもしれない。だが、はたしてそのままでよいのだろうか?

 神奈川県で、小中学生を教える塾講師・Tさん(50代)は、「情報にふれる機会が多いせいか、難しい漢字を読めるという子は明らかに増えた印象です。小学校低学年でも、びっくりするような難しい漢字を読むことができる。一方で、書けないんですよね」と、その実態を語る。

「書けても、書き順はめちゃくちゃで、本来3本線を引かないといけないところを2本とか、4本になったりする。もちろん、子供にとって初めて見る漢字については、昔からそんなものであるのは確かです。でも、中学生になって、小学生で習う漢字に対しても同様のケースがよくあるんです」(Tさん)

 子供はもとより、大人が書けないことも影響しているのかもしれない。Tさんが続ける。

「漢字を書けないことを、子供の前で堂々と見せる大人が多い。私は職業上、親子が話す姿を見ることも多いのですが、例えば親が申込書なんかを記入している時、漢字がわからないという雰囲気を出すと、横にいる子供がすぐに『検索しなよ』とすぐに言うんです。常日頃から、わからないことがあれば、すぐに検索する姿を見せているんでしょうね。

 国語の授業でも、『別に書けなくても変換すれば、候補のうちどれか当たる』『大人になったらどうせ入力で生きていくんだから、覚えるだけ無駄』ということを言う子はいます。もちろん、昔から『何のために勉強するのか』といった質問は鉄板なので、その類の話ではあるのですが、大人が“漢字を覚えていなくてもいい”というふうに、まるで開き直っているかのような姿は気になりますね」

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