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連絡帳は平仮名だらけ、領収書は誤字だらけ… 増殖する「漢字が書けない大人たち」の苦労と子供たちへの悪影響

領収書が書けず、仕事ができないヤツ扱い

 一方で、都内の私立大学に通う男子大学生・Cさんは、漢字がすぐに書けないことが「恥ずかしい」と思うようになった。

「雑貨店のバイトをしているのですが、領収書を書く機会が度々あります。宛名は、間違い防止のためにも名刺を見せてもらったり、お客さんにメモに書いてもらってから私が書くということで凌いでいますが、但し書きに間違いが多くて……。先日は“文房具”が書けず、“文防具”と書いてしまったり、最悪だったのは“書籍代”が書けなくて、“書せき代”となってしまったことでした。

 しかも、私がモタモタしている間に、その人はもちろん、後ろに並んでいる人も待たせることになります。漢字なんて調べればいいと思っていたけれど、すぐに書けないのは無駄な手数も増えるし、お客さんにも迷惑をかける。仕事ができないヤツ扱いになって、いいことは何もありません。結局覚えていたほうが恥ずかしくないし、サッサと仕事も終わるし、いいんですよね……」(Cさん)

 そんなCさんは、女性アイドルや声優のファン。「クイズ番組などに出るときでも、ひらがなだらけのフリップより、漢字をきちんと書ける人のほうがカッコいいな」と思ったこともあり、現在は意識して漢字を勉強しているという。

 スマホやパソコンでの作業が当たり前になった昨今、「漢字が書けない大人たち」の問題は、想像以上に根深いものかもしれない。(了)

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