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【BEVで長距離走行】日産アリアで片道850キロ 東京~広島間で何回充電が必要だったのか

スタート前に日産ディーラーで充電

スタート前に日産ディーラーで充電

 日産アリアはB6(FF)で価格は539万円~、搭載するバッテリー容量は66kWhです。カタログ値では「一充電走行距離(国土交通省審査値)470km(WLTCモード)」というアリアの中のベーシックなモデルです。この上には91kWhバッテリー搭載でe-4ORCE(4WD)というシステム搭載のB9があり、一充電走行距離は560km。車重はFFモデルのB6よりもバッテリー容量の増大なども影響して300kgあまり重く、2230kgですが、スケジュールの都合があわず断念。「電費の良好なB6」でも、十分にテストになりそうだと考えました。

 スタート前、まずは都内の日産ディーラーで満充電にしてから広島へと向かいます。普段はBEVユーザーではないので、自宅に普通充電施設がありません。充電は近所の日産ディーラーで行います。

「それにしても、日常的な充電インフラを支えてくれているのは日産ディーラーだなぁ」と痛感させられます。多くのディーラーには40~50kW、最近では90kWの高出力の急速充電器が設置され、使い勝手はさらに向上しています。現状、トヨタやホンダといった国産ライバルや輸入車のBEV、さらにはPHEVでも、この日産のインフラ網に助けられていることは事実です。

850kmで4回の充電ポイントに立ち寄り

 ほぼ満充電になったところで航続可能距離をチェックすると381kmと表示。以前、このB6で「6.5km/kWh」という電費、つまり「1kWhで何キロ走ったか」という数字を出したこともあったので、それを頼りに計算してみても「バッテリー容量66kWh×6.5km=429km」となり、なんとか400kmぐらいは満充電だと走れそうです。

 しかし、現実にはエアコンも使いますし、高速走行中は回生ブレーキによる電力の回収の機会も減ります。エンジン車の燃費もそうですが、こうした場合はカタログ値の約70%が実走行での距離と考えたほうが無難。そこで「470km×70%=329km」と考えながら充電スケジュールを考えました。

 これで広島までの850kmという行程を考えると、途中で2回満充電にすれば、なんとかたどり着けますが、それでは現地に到着した段階ですぐに移動するのは難しそう。エンジン車では燃料残が30%ぐらいになった時点で満タンにしますが、BEVはさらにゆとりを持って充電残が40%前後になったら充電したいと心がけます。高速道路のサービスエリアにある「50kW以上の急速充電器」による一度(30分)の充電で80%以上まで充電をおこないながら広島を目指すと、約250kmに一度ぐらいの割合で3回ほど充電できれば電欠の恐れを低減させて広島に到着できそうです。

 東京から250kmの地点には新東名の「浜松SA」、500kmすぎのポイントには山陽自動車道の「淡河PA 」、そして750km付近に山陽自動車道「小谷SA」があり、それぞれに急速充電施設があります。ただし今回は小谷SAの100kmほど手前にある岡山県の山陽自動車道「吉備SA(下り)」にも立ち寄り、今年3月から稼働している90kWの充電施設をチェックするプランを立てて走りました。

 東名の御殿場から新東名へと入り120km/h制限区間を「プロパイロット 2.0」の手放し運転を試しながら快適なクルージング。相変わらず車線中央をキープしながら安定して走ってくれます。「できることなら眠ったまま広島まで行ってくれ」と思ってしまうほどの心地よさでしたが、そうした時代が来るにはまだ時間が必要です。

 最初の浜松SAで90kWの充電を体験。30分あれば十分に90%弱まで充電完了しました。この施設も給電ソケットが全部で8口(2 台同時充電可能な急速充電器も含め)あり、先客による待ち時間はまず心配はありませんでしたが、あくまでも平日の状況です。次の淡河PAでも無事充電を済ませ、吉備SAの充電施設もチェックしました。急速充電のソケットの数が増え、同時に90kWh以上の高速充電施設が増えていることで、先客による待ち時間も充電時間そのものも軽減できます。

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