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最低生活保障「ベーシックインカム」は“魔法の杖”とはなり得ない 実際に導入するなら年間144兆円の財源が必要

拡大するベーシックインカム導入論

【グラフ】日本全体が貧しい国に──平均給与はこの10年でほぼ横ばい

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 しかも、AI(人工知能)が急速な進歩を見せ、ホワイトカラーの仕事を奪うとの見立てもいよいよ現実味を帯びてきた。

 将来不安が募るばかりの状況に、最近では全国民に一定額の現金を毎月無条件で政府が支給する「ベーシックインカム(以下、BI)」(=最低生活保障)の導入を求める声も大きくなっている。

衆院予算委員会でベーシックインカムについての日本維新の会の質問に答える岸田文雄首相(右・2021年12月/時事通信フォト)

衆院予算委員会でベーシックインカムについての日本維新の会の質問に答える岸田文雄首相(右・2021年12月/時事通信フォト)

 こうした国民の声に呼応し、日本維新の会は次期衆議院選挙の目玉公約の1つとしてBIを掲げる方針だ。同党は、2021年の衆議院選挙でも公約に盛り込んだが、より現実的にすべく「段階的導入」へと修正を図るのだという。

 馬場伸幸代表は7月に行われた与野党5党首による論戦で、支給金額や対象者の絞り込みに関して検討を進めていることを明らかにした。

 誰しも、いつ病気などで働けなくなるか分からないというリスクを抱えて生きている。もしBIが導入されて、必要最小限の収入を政府が保障してくれるようになれば、精神的にはかなり楽だ。そうなれば、さまざまな分野にチャレンジする若者も増えそうである。

 だが、そんな “夢のような政策”ならば、なぜ自公政権はこれまで導入しないできたのか。

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