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レトロ喫茶店ブームに困惑する中高年利用客 「若い女性客が増えてくつろぎにくくなった」

喫煙可の店でも「タバコが吸いにくくなった」という声も

喫煙可の店でも「タバコが吸いにくくなった」という声も

クリームソーダを写真に撮って「かわい~!」

 単純に若者たちであふれる喫茶店に“いづらくなった”という愛好家もいる。会社員のCさん(50代男性)はこう話す。

「おしゃれなカフェ、といった雰囲気のお店は苦手で、古びた喫茶店が好きなんですよね。静かさも好きですし、コーヒーを飲みながら新聞を読む時間も心地良い。でも先日、出先でフラッと喫茶店に入ったら、男性客は私一人。店内は若い女性たちばかりで、くつろぎにくかった。見ると女性客は、全員クリームソーダを飲んでいて驚きました。皆さん写真を撮って、『かわいい~!』とか言っていましたが、クリームソーダは今や“かわいい”というジャンルなんですね。

“昭和”な喫茶店は自分たちの世代の居場所だと勝手に思っていましたが、そんなことはないんですね(笑)、雰囲気が変わるのは、正直ちょっとさびしさもありますね」

“変わらないこと”が常連客にとっての魅力の一つだった喫茶店だが、その雰囲気も変わってきているということなのか。外食事情に詳しいフリーライターの小浦大生氏はこう話す。

「今の喫茶店ブームの波に乗ろうとして変化する喫茶店もありますが、もちろん昔ながらのスタイルを貫いている喫茶店もたくさんあります。一方で、“レトロ”をコンセプトとした若者向けの新しい喫茶店も多く、そういったお店こそが新しいファンの受け口になっているとも言えるでしょう。

 また、喫茶店がブームになったことで息を吹き返したお店もあり、喫茶店愛好家にとっては嬉しい状況でもあります。ブームになったことで、居心地の悪さを感じている古くからの愛好家もいるでしょうが、裏を返せばそれぞれが自分の好みに合う喫茶店を選びやすくなったということでは」

 いまや喫茶店は、一部の常連だけのものではなく、世代を超えて支持されるようになってきているようだ。(了)

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