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【検証・18兆円コロナ交付金】イルミネーション、カジキ釣り大会、朝ドライベント、アニメ事業…自治体による「流用リスト」

子どもたちの運動機会を増やすため整備された会津若松総合運動公園のバスケットコート(福島県会津若松市のホームページより)

子どもたちの運動機会を増やすため整備された会津若松総合運動公園のバスケットコート(福島県会津若松市のホームページより)

アニメ事業に200万円

 茨城県は2022年8月、コロナ交付金(約8000万円)で「カジキ釣り国際大会」を開催した。

「全国初のカジキ釣り国際大会で約200人が参加、陸上イベントには約3000人が集まった。多くのメディアに取り上げられ、コロナで観光客が激減するなど大きな影響を受けたひたちなか大洗地域をPRできました」

 茨城県地域振興課の担当者はそう胸を張るが、国のコロナ対策予算でやることではないだろう。

 新潟県十日町市は昨年3月、花火を400発打ち上げた。

「密集回避の観点から打ち上げ場所は事前非公表としましたが、SNS等で話題が広がり、コロナ禍で落ち込む地域に活気を創出した」(十日町市財政課)

“抜き打ち”で花火が上がって住民もびっくりして喜んだということらしい。この「活気づけ」の花火などに使われたコロナ交付金は550万円だ。

 NHKの連続テレビ小説『らんまん』放送に合わせて県をあげて開催しているイベント(博覧会)にコロナ交付金をあてたのが高知県高知市だ。同市の観光企画課はこんな説明をしてみせた。

「地元自治体が実行委員会(連続テレビ小説を生かした博覧会推進協議会)に出す負担金1650万円を全額、コロナ交付金から拠出しています。コロナ交付金の使途のなかに『経済対策』があり、それに該当するためです」

 朝ドラに使えるなら、大河ドラマでもいいじゃないか。そう考えたらしいのが2024年放映予定のNHK大河ドラマ『光る君へ』の主人公、紫式部ゆかりの福井県越前市だ。

 ドラマ制作が発表されると看板や幟(のぼり)を立てて観光PRを開始したが、その財源にはコロナ交付金(約485万円)が使われている。紫式部公園に来ていた高齢女性が語った。

「頑張って観光客を増やそうとしとるのはわかるんやけど、コロナのお金やったんやね。ちょっと使うとこ間違えたんじゃないけ。もっと大変な思いしとる人いっぱいおるやろうに」

 だが、税金を使うほうはそんなことは考えない。ドラマがいいならアニメもいい。

 埼玉県は県内のアニメの舞台をめぐる“聖地巡礼”で観光を盛り上げる「アニメだ!埼玉」事業に約200万円のコロナ交付金を投じている。

後編に続く

※週刊ポスト2023年11月17・24日号

【表】ドローン、公用車購入から花火まで「コロナ交付金」流用リスト
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