投資

【スシロー、大阪王将、バーミヤン】「ジョブチューン」で話題になった飲食3チェーン 最新決算と実際に足を運んで見えてきた各社の成長ストーリー

 同社は、昨年は「おとり広告」問題による景品表示法違反、今年は心無い顧客による「醤油差しペロペロ」事件など悪い意味での話題が重なり、顧客の信頼回復やイメージ回復が急務とされる状況に置かれていた。そうした状況にあっただけに、この全品合格は同社としても素直にうれしいものであったろう。

 番組で取り上げられた、一品一品への調理方法へのこだわりや、輸送、管理にまで徹底された工夫、そして低価格への企業努力が地上波で放送されたことは、同社が苦戦していた日本国内においての客足を戻すインパクトになり得ると考えられる。

 実際に店舗に行ってみると、どの店舗も客であふれ返っていた。顧客の待ち時間を減らすための予約システムや自動会計などのDXも進んでいることが感じられ、商品だけでなく店舗運営全般にも改善と工夫が見られた。

 株価も10月28日の地上波放送以後、ぐんぐんと上値を更新しており今後の業績の上方修正期待も増してくると考える。

大阪王将/イートアンドホールディングス(2882)

「大阪王将」を主力に外食チェーン運営を手掛けるイートアンドホールディングス(2882)は、10月11日に2024年2月期の第2四半期決算を発表し、前年同期比で売上10.3%、営業益10.3%成長を実現した。従来予想に対しても売上、利益とも予想を上振れして着地している。

 ただ、より深く分析してみると不安が残る部分もある。外食事業である「大阪王将」においては、退店数が新規出店数の倍の数となっており、店舗数は直営、加盟店ともに減少している。

直近では、大阪王将の退店数は出店数を上回っている

直近では、大阪王将の退店数は出店数を上回っている

 同社も11月18日に放映された『ジョブチューン』の「イチ押しメニュー VS超一流料理人」というジャッジ企画に参戦している。審査エントリーした中で「合格」は11品中7品(前哨戦を含む)に終わった。その結果を受け、同社の文野直樹代表取締役会長CEOが、報告に来た部下に対し厳しい言葉を投げかける場面も放送され、ネガティブな反応を持つ視聴者も少なくなかったようだ。

 とはいえ、同社の事業は、「大阪王将」を代表とする外食事業よりも、焼き餃子、水餃子などの冷凍食品製造・販売をする食品事業が柱であり、こちらは外食事業よりも売上、利益ともに好調である。2023年秋冬の家庭用新商品としても、麺、米飯、スナック、揚げ物が新登場しており、期待が持たれる。また、番組では、4品の不合格があった一方で、看板メニューの「元祖焼餃子」など4品が、審査員全員が「合格」を出すパーフェクトを獲得。パーフェクトの数は前述したスシローと並ぶものだった。

 株価は今年に入りいまだに下降気味であるが、同社の巻き返しに期待したい。

次のページ:バーミヤン/すかいらーくホールディングス(3197)

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。