藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

60代からの新NISAで「やってはいけない」4つのパターン 現役世代とはリスク許容度が異なるゆえの落とし穴も

 今ある資産を、守りながら増やすことを考えて、株式だけではなく、比較的リスクの低い債券を組み入れてバランスよく分散しましょう。資産配分のヒントとしては、100から自分の年齢を引いた比率を株式などのリスク資産で保有する、という考え方です。たとえば60歳であれば100-60=40なので、60%を債券、40%を株式に投資します。

【3】生涯投資枠1800万円を無理やり使い切る

 生涯投資枠を使い切らないと損な気がして、手持ちの資金をかき集めてでも1800万円の枠を使い切るようなことはおすすめしません。投資資産が大きく減少した場合、労働収入によるリカバリーが効かないため、老後の生活に大きなダメージを与えます。

 まず手元にある資産の総額を把握し、将来必要になるお金(日常の生活費、家の修繕や介護など一時的に必要になるお金)は、預金か国債に振り分け、それ以外のお金をNISAで運用しましょう。

【4】高配当株への過度な期待

 高配当株を買って、年金代わりに配当を非課税で受け取る方法も悪くはありません。ただし、配当を出す企業の業績が悪化すれば減配や無配になる可能性があります。さらに、そうなってしまうと企業の株は大きく下落しますので、資産は減るわ、期待通りの配当が受け取れないわで、NISAのメリットどころではありません。

 たとえば、成長投資枠の上限1200万円で高配当株を買い、配当利回り4%であれば、月4万円、年間48万円が受け取れます。一方で、1200万円で買った株が、半分の600万円になってしまえば、600万円の損失です。高配当株投資をする際も、元となる株の値下がりリスクについては慎重に考えるべきです。

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