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藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

【新NISA注目ポイント】知っておきたい「投資枠復活」の仕組み 分配金再投資や年末の売却には要注意

新NISAでは、株や投資信託を売却した分の投資枠を再度利用することができる(写真:イメージマート)

新NISAでは、株や投資信託を売却した分の投資枠を再度利用することができる(写真:イメージマート)

 来年1月からスタートする新NISA(少額投資非課税制度)。生涯投資枠が最大1800万円になるうえ、無期限となるのが改正の目玉だが、「投資枠の復活」も大きく注目を集めている。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第68回は、「新NISAの投資枠」について。

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 2024年からの新NISAの目玉は、なんといっても投資枠が復活することです。この神改正のおかげで、現行NISAでは躊躇しがちな損切りや、金融資産の買い替えが軽やかに行うことができます。投資枠の復活のしくみを上手に利用することで、より非課税枠での投資の幅が広がります。

投資枠復活のしくみ

 現行NISAでは、口座内で保有する株式や投資信託を売却しても、非課税投資枠は再利用できません。たとえば、年間の非課税投資枠が120万円の一般NISA枠で、年初に100万円で買った株を年度途中で売却しても、残りの枠は20万円のまま増えません。

 一方、新NISAでは、生涯投資枠1800万円という制限がありつつも、売却した場合は、翌年にその分の枠がふたたび使えるようになります。

 具体的な例をあげましょう。2024年からつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円の合計360万円をめいっぱい使い、2028年の12月には生涯投資枠の1800万円まで投資したとします。そこで、100万円で買って150万円に上昇していた株を売却します。すると、翌年2029年には、100万円の非課税枠が復活します。ここでの注意点は、売却した金額の枠が復活するのではなく、買ったときの金額(簿価)が復活することです。

次のページ:投資信託を積み立てた場合の復活パターン

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