中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「こんなに安くていいの?」 今や貧乏国家になった日本で酒の肴に「ワケありうなぎ」を少しずつ食べる幸せ

今や庶民にとって鰻の蒲焼は高嶺の花(※この写真は「ワケありうなぎ」ではありません)

今や庶民にとって鰻の蒲焼は高嶺の花(※この写真は「ワケありうなぎ」ではありません)

 色んなところで目にする「ワケあり商品(食品)」の通販広告。形がふぞろい、大きさが規格外、見えないところにほんの少し傷や色むらがある……などの理由で、値段が一気に下がる傾向があるが、「今こそ『ワケあり商品』を食卓に取り入れたい!」と語るのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。最近「ワケありうなぎ」を購入したばかりの中川氏が、その魅力をレポートする。

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ネットを見ていると、人によっては頻繁に「ワケあり商品」の通販広告が出てくるのではないでしょうか。こうした広告は「とにかく売りたいんじゃ! ほら、安いだろ! お前、買え!」的な扇動的なメッセージが多い印象です。それに私も乗ってしまったわけですが、今回買った「ワケありうなぎ」は本当に良かったです。

 うなぎって昔から高級品ではあったものの、昨今養殖に使うシラスウナギの漁獲量が減っていることから高級品です。180グラムほどの1匹の蒲焼が3000円するのは当たり前。うなぎ専門店でうな重の「松」でも頼もうものなら、5000円することもあります。

 かくしてうなぎは庶民にとっては高嶺の花となりました。最近では「うなぎのタレをかけたご飯」(うなぎなし)がスーパーで売り出されるなど、なんとか安くうなぎ気分を味わってもらおうと販売側も様々な工夫を凝らしています。

 ラズウェル細木氏の漫画『う』は、ひたすらうなぎを食べ続ける漫画ですが、その中に「エコノミーうなぎ飯」というエピソードがあります。

 主人公の椒太郎と学生時代の友人・石橋の回想ですが、商店街でうなぎの蒲焼を買ってくる。石橋はうなぎの貴重さを知っており、まず、牛丼店からもらってきた紅生姜をご飯にかける。そのうえで、「うなぎをジーっと見つめてつばがわいてきたところでガ~ッと食うんだ」とやる。

 次の段階は「2膳目はタレと山椒を半分だけ飯にかける」が来て、続いて「今度はうなぎを見ながらタレと山椒だけで食う」があり、「う~んすでにうな丼を食っているような気分だ」と来て、最後にうなぎを4分割し、2人で分けて食べるのです。

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