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「失われた30年は終わった」2024年の日経平均株価は4万円超えか、新NISAスタートも株価上昇を後押し

「『失われた30年』はもう終わったと見るべきでしょう」と語る武者陵司氏

「『失われた30年』はもう終わったと見るべきでしょう」と語る武者陵司氏

 昨年は地政学リスクや物価上昇に見舞われながらも、日本企業は円安などの恩恵で過去最高益の更新が相次ぎ、日経平均はバブル後最高値を更新した。武者リサーチ代表の武者陵司氏と、日本金融経済研究所代表理事の馬渕磨理子氏が今年の日本経済の展望を見通す。【全3回の第2回。第1回から読む

武者:目線を日本経済に移すと、私はかなりの楽観シナリオです。最大の要因は、やはり米中対立にあります。日本は長引くデフレに陥りましたが、近年は米中対立で米国が中国依存を断ち切るなか、対立関係を強化する方向に舵を切っています。「超円安」へと反転し、「失われた30年」はもう終わったと見るべきでしょう。

馬渕:ただ、日本は粘着質なデフレが染みついているので、そこから脱却できるか。カギを握るのが、2月の「春闘」の賃上げです。現在の物価高は原材料高や円安といった“外圧”によるもので良い循環ではない。潤っているのは大企業だけです。

 中小企業は苦しく、個人の実質賃金はマイナス。この「二極化」を解消するためには大企業から中小企業、個人へと富が滴り落ちる「トリクルダウン」につながるかどうかがカギを握ります。

武者:その通りですね。ただ米中対立はどちらかが音を上げるまで続く腰の入った話ですから、その間は日本に追い風が吹き続ける。そう考えると、日経平均株価が2024年には過去最高値を超えて4万円に達すると予想します。早ければ4月頃、遅くても年末までには届くのではないかと見ています。

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馬渕:日経平均上昇の重石となるような懸念材料はないでしょうか?

武者:今の株価上昇は円安の恩恵が大きい。にもかかわらず、経団連が円安で苦しむ輸入企業にも配慮したほうがいいと懸念を表明したり、日銀の植田和男総裁が「チャレンジング」という表現で円高誘導の雰囲気を打ち出すような発言をしたりするのは心配。私に言わせれば「なんで追い風を止めるんだ」という話ですよ(苦笑)。馬渕さんは今年の日経平均はどうなると観ていますか?

馬渕:年末までに3万8000円を予想します。根拠としては、好調な企業業績から日経平均のEPS(1株当たり利益)が今から10%ほど伸びて2300円台になると見ていて、そこに日本株買いが進んでPER(株価収益率)が16倍まで上昇すると見込んで3万8000円としました。そこから勢いを増して4万円まで上振れする可能性も十分あり得るかなと思いますが、一方で先程話したようなリスク要因が先に来るようなことがあれば「3万円割れ」もあり得るかなと思います。

武者:本当に余計なことをする人さえ出てこなければ、ですね(笑)。

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