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【進化するがん治療】「高齢者は手術しない」は過去の話 「治療の負担に耐えられるか」を個々に判断、保険適用範囲も変化

日本人のがん死亡率はOECDで7番目に低い

日本人のがん死亡率はOECDで7番目に低い

高齢者でも手術をするケースが増えている

 がんと診断された場合、治療における第一選択として腫瘍を摘出する「手術」を思い浮かべる人は多いだろう。だが「その概念は大きく変わった」と村上さんは指摘する。

「メスで皮膚を10cm以上切って開腹するような大がかりな手術は減って、体への負担を最低限にする『低侵襲手術』が積極的に取り入れられています。例えば肺がんであれば、数cm程度の穴を数か所開けて、小さなカメラを胸腔内に挿入し、モニターを見ながら切除する胸腔(きょうくう)鏡下手術が主流になっています」

 それに伴い、「切る」「切らない」の境界線も大きく変化し、高齢者でも手術をするのが当たり前になった。

「“年を取ってがんになった患者は体に負担がかかるから手術をしない”という治療方針は過去のものになりつつあります。低侵襲(ていしんしゅう)手術が広まったことも関係していますが、平均寿命が延びていることからもわかるように、10年前の70才と、いまの70才では健康度が違います。当然個人差はありますが、90才でも手術が第一選択になるケースは珍しくありません」

 つまり実年齢ではなく、「治療の負担に耐えられるか」を個々に判断して行われるということ。実際、評論家の樋口恵子さん(91才)は、「手術を受けられる体力がある」と診断されて、89才で乳がんの手術を受けたという。

次のページ:乳房再建の保険適用の範囲も広がっている
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