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【個人投資家が知っておくべき「金融商品の手数料」の正体】「仕組債」と「ラップ口座」の不透明さ、二重取り・三重取りされていないか要注意

800億円を超える個人資産を築いた投資家・清原達郎氏(C)野口博

800億円を超える個人資産を築いた投資家・清原達郎氏(C)野口博

「仕組債」はいくら「抜かれているか」わからない

 手数料の開示という意味で最も卑劣なのが「仕組債」です。また、「ラップ口座(ファンドラップ)」も良心的とはとても言えません。「仕組債」は、個人投資家はいくら「抜かれているか」わかりません。私は仕組債の販売を一律に法律で規制するのは難しいと思います。どの商品はダメでどの商品ならセーフか線引きがとても難しいからです。

 でも、上場オプションを除いてオプションを含む商品(主に債券)を販売する際の顧客とのやり取りを動画で保存するよう証券会社に義務付けるべきだと思います。その中で老人が「オプションの質問にちゃんと答えられていること」を条件に販売を認めれば一番楽じゃないですかねえ。損したら、後で動画を見て「客がちゃんと答えてなかったら証券会社が客に損害の3倍を賠償する」っていうのはどうでしょう。そうすれば仕組債とか証券会社は売らないですよ。

「仕組債」の業者の儲けはトレーディングプロフィットです。だからブラックショールズのオプションモデルとか一般に認知された方法で業者の利益を予想してそれを手数料に足しこんだ数字をパンフレットの1ページ目に大きく載せることを義務付けなければ。ブラックショールズで計算できないような複雑なオプションを内蔵した商品はもちろん販売禁止にすべきです。というか客観性のある方法で計算できないのなら数字を載せられないですからねえ。自然となくなるのでは。

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