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【シニア層に高まる美容意識】「美容を好むのは40代まで」という空気は過去のものに 80代で「シミを取りたい」と美容クリニックへ

美容ブーム100年を振り返る

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最新技術によって結露された“細胞レベルの美”

 細胞レベルで若返る──美容医療の最先端では、人類の悲願だった“不老不死”の体現ともいえる研究も進んでいる。アテナクリニック銀座本院総院長の定村浩司さんが解説する。

「人間の幹細胞を試験管で培養し、それを生きた状態で体内に注入する『幹細胞治療』が大きな注目を集めています。生きた細胞は、細胞自身が成長し増殖するためのエネルギー源となる『サイトカイン』と呼ばれるたんぱく質を放出している。このサイトカインには、体内で損傷を受けた組織を回復させ、細胞を若返らせる効果もあるため、注入することによって体の内側から細胞に働きかけ、皮膚や毛根を若返らせ、再生させることが可能になったのです」(定村さん・以下同)

 最新技術によって結露された“細胞レベルの美”は末端まで広がっていく。

「これまで最も難易度が高いとされてきた、手の甲や指のしわ、浮き出た血管を除去する施術も、細胞にアプローチする方法が確立されたことで大きく道が開けました。いまスタンダードになりつつあるのは、強い抗酸化作用を持つサーモンのDNAから抽出した有効成分である『ポリヌクレオチド』を手に注入し、肌細胞を修復・再生する『サーモン注射』です。

 内面からのアプローチの進歩に比例する形で外科的な施術も大きな飛躍を遂げており、手とともに“老化が可視化されやすい”と気にされる患者さんが多い首の横じわも、あごの下の皮膚を切り取ることで目立たなくする方法が確立されるなど、新しい施術が次々に登場しています」

 親からもらった大事な体に針やメスを入れるなんて……そんなせりふはすでに過去のものであり、いま美容医療は日常のスキンケアの延長にあると言っても過言ではない。

 実際、東京イセアクリニックが行った調査によれば、美容整形を受けた患者数は2015年から2020年までの6年間で6.7倍に達したうえ、そのうちの9割以上が「整形したことを隠さない」と回答している。

第2回に続く

※女性セブン2024年3月21日号

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