吉田みく「誰にだって言い分があります」

「会費は払ってもいいけど活動する余裕がない」 PTA未加入の40代女性が息子の卒業時に感じた後ろめたさ

「いっそ卒業記念品を廃止しては」

 以前貰った卒業記念品のマグカップは、使われることなく食器棚の奥にしまわれている。そのこともあり卒業記念品に対するモヤモヤもあるという。

「保護者がよかれと思って選ぶ卒業記念品は、果たして子供からするとどうなのでしょうか。クラス全員の名前が書かれたもので、貰った直後は眺めていましたが、今は存在すら覚えているのか……。私自身、自分が卒業した時にどんな記念品を貰ったか、はっきり覚えていません(笑)。それならいっそ卒業記念品を廃止するのも時代の流れとしてアリだと思いました」

 実母からはPTA加入を強く勧められているミサキさんだが、来年度も加入するつもりはないという。「これから子供の学費が多くかかるので仕事は休めません。大変申し訳ないですがPTA活動は厳しいです」と話していた。

 賛否が飛び交うPTA活動の中でも、特に卒業記念品に対しては、「未加入者にはあげなくていい」などのシビアな意見があるようだ。加入未加入については保護者側が決めることであり、子供には関係ないので判断が難しくなっている印象も受ける。地域や学校ごとに事情は異なるが、慣例によらず、PTAのあり方を時代に合わせて対応する必要はあるだろう。

【プロフィール】
吉田みく(よしだ・みく)/埼玉県生まれ。大学では貧困や福祉などの社会問題を学び、現在はフリーライターとして人間関係に独自の視点で切り込んでいる。マネーポストWEBにてコラム「誰にだって言い分があります」を連載中。同連載をまとめた著書『誰にだって言い分があります』(小学館新書)が発売中。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。