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「4月は株が上がりやすい」は本当か?過去10年のデータで検証 海外投資家が買い越しでも国内需給で株価がマイナスになる例も

史上最高値圏にある日経平均株価の行方は(写真:イメージマート)

史上最高値圏にある日経平均株価の行方は(写真:イメージマート)

 2024年の1~3月のあいだに、日経平均株価7000円以上もの上昇を記録した。そして迎えた4月は、アノマリー的には“株価上昇しやすい月”であるという。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが過去のデータをもとに、4月の株価や需給動向を検証する。

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 4月の訪れとともに、新たな相場の幕が開けました。3月までの四半期を終え、日経平均株価は3ヶ月間で7000円以上もの上昇を記録。そんな中で、4月は株価上昇しやすい時期、つまり「アノマリー」があるとも言われます。そこで今回は、過去10年のデータを基に、この4月の株価の動向や需給について検証してみましょう。

なぜ4月は上がりやすいのか

 4月が株価上昇しやすい時期だと言われる背景には、主に以下の3つの要因が考えられます。

【1】新年度の幕開け

 日本では約7割の上場企業が3月期決算を採用しており、4月から新しい年度がスタートします。新年度が始まるにあたり、多くの企業が投資計画や経営戦略を見直し、その計画を市場に発表するタイミングでもあります。実際、3月末から中期経営計画を発表する企業が増えている傾向にあります。

 しかし、既に株価が史上最高値付近にあることや、東証からの資本コスト改善要請の背景とした高い株主還元への期待が株価に既に織り込まれている可能性もあり、一概にこれをポジティブな要因だとは言えない状況です。

【2】外国人投資家の資金流入

 年度の初めには、特に外国の投資基金からの新しい投資資金が市場に流入しやすい傾向があります。新しい財務年度でのポートフォリオ再編や新規投資がその理由です。日本市場は特にグローバルな投資家にとって魅力的な投資先とされており、新たな財務年度のスタートと共に資金流入が期待されます。

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