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【法律相談】「国際結婚相手紹介サービスが解約に応じてくれない!」本当に解約できないのか、違約金はどうなるか?弁護士が解説

解約に応じてもらうにはどうすればよい?(イラスト/大野文彰)

解約に応じてもらうにはどうすればよい?(イラスト/大野文彰)

 結婚相手の紹介サービスと契約しても、良縁に恵まれないこともある。スムーズに解約できればいいが、業者が解約に応じてくれない場合、どうすればいいのか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【相談】
 娘が国際結婚相手紹介サービスに入会して2年が経ちます。よい相手が見つからないため解約したいのですが、解約に応じてくれません。

 会員の中には「海外渡航してお見合いをしたのに婚約解消になったので解約を申し出たが、受け入れてくれない」と言っている人もいます。本当に解約できないのでしょうか。(東京都・60才・パート)

【回答】
 娘さんがその業者との間で締結した契約は、結婚相手の紹介サービスという事務を業者に委託した準委任契約になり、特約がない限り民法の委任契約の規定が適用されます。そこで、まず入会時にもらった入会条件を記した書面を見てください。退会について何の定めもなければ、娘さんはいつでも退会、すなわち準委任契約の解除ができます。

 仮に、「一定期間退会を認めない」というような制限があっても、やむを得ない事情があれば解除できます。

 やむを得ない事情がなかったとしても、「いかなる場合も退会しません」といったような解除権放棄の特約がない限り、受任者に生じる損害を賠償すれば解除はできます。

 おそらく書面には解除権放棄の規定はないと思いますが、仮にあっても、民法の原則に比べて一方的に「消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する」不利益な条件として、消費者契約法により無効になると思います。要するに、娘さんはいつでも契約を解除できます。問題なく退会できるので、「退会します」と通知をすればよいのです。

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