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ブラック企業の上司の多くに共通する「かくあるべし思考」 自分を犠牲にして我慢するほど人に厳しくなる典型的パターン

「ブラック企業」が生まれる背景には“我慢”が関係しているという(写真:イメージマート)

「ブラック企業」が生まれる背景には“我慢”が関係しているという(写真:イメージマート)

 よい人生を送る上で「優しい人」であることの重要性を説く精神科医の和田秀樹氏。他人に優しくなるために心がけるべきことはどのようなことか。著書『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』が話題の和田秀樹氏が解説する。

優しさとは、自分の中で「利己」と「利他」を両立させること

 優しい人であるためには、自分なりの「判断軸」を持って、言動や考え方がブレないことが大切です。その時どきで言動や考え方が揺れ動くと、自分を見失うだけでなく、周囲の人たちから「気まぐれな人」と思われてしまいます。

 優しい人は、軸足できちんと地面を踏んで立っているから、自分がどんな状況にあっても、人に優しくできるのです。

 ここでは、優しい人になるためのマインドの整え方に着目して、そのポイントを詳しくお伝えします。

 私たちの心の中には「利己」と「利他」という二つの考え方が存在しています。利己とは、「自分を大事にする気持ち」であり、利他とは、「人を大事にする気持ち」を指します。

 いい人生を送るためには、どちらも大切な要素ですが、問題はそれを実現するためには、どちらかを犠牲にする必要がある……と考えられていることです。

 利己的という言葉があるように、利己には「自分だけが良ければいい」という側面があり、独善的でネガティブな考え方とされています。

 一方の利他には、「自分を犠牲にしてでも、人のことを優先させる」というニュアンスがあるため、ポジティブな考え方と認識されています。利己は自分勝手な考え方だから「悪」であり、利他は自己犠牲を顧みないから「善」と受け取られているのです。

 一般的には、この二つは相反するもの……と考えられていますが、私はまったく違う見方をしています。

 自分を大切にすることは「悪」ではなく、自分を犠牲にすることが「善」とも思っていません。自分を大事にできなければ、人を大事にできるはずがなく、自分を犠牲にしていたのでは、継続して人を大事にすることはできないと考えています。

 人が優しくあるためには、利己と利他を対立軸として考えるのではなく、この二つを自分の心の中で「共存」させることが重要です。

 ポイントは、「いかに利己と利他を両立させるか?」にあります。

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