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「濡れた傘は傘袋に入れてほしい」店側の切実な思い 「床が濡れると転びやすくなる」「清掃が大変」…それでも拒否する客の存在

傘袋専用のゴミ箱なのに普通のゴミが散乱し…

 飲食店勤務20代男性・Bさんは、「傘は傘袋に入れてくれたほうが、店内の清掃はラク」と本音を明かす。

「うちの店は基本的に荷物は足元の荷物カゴ、傘は傘立てに入れるか傘袋に入れて客が管理するスタイルですが、傘立ては盗まれるからと入れたがらないくせに、傘袋にも入れない人がいます。

 とはいえ、店内に持ち込む場合は、傘袋に入れてほしい。床が滑りやすくなって危険ということもありますが、こちらの事情としていちいちフロアの水滴を拭いている余裕もあまりない。傘袋を使ってくれたほうが、店内の清掃は多少ラクになりますね」

 傘袋を使用しても、その後のマナーが悪い客もいるようだ。量販店勤務の40代女性・Cさんは、「傘袋装着機を設置してから、傘袋をつけてくれる人は増えた」というが、傘袋の後始末の仕方に苦言を呈する。

「雨の日は、傘袋とともに傘袋専用のゴミ箱を置くのですが、基本めちゃくちゃに散乱します。しかも傘袋専用のゴミ箱なのに、マスクや缶ビール、食べ残しなど普通のゴミが捨てられていることもしょっちゅうです。ゴミ箱に『傘袋以外のゴミを捨てないで下さい』と注意書きを貼っても、そんなのお構いなし状態です」

「濡れた傘を閉じたくない」

 それでは、傘袋が用意されているにもかかわらず、利用しない人たちにはどういう理由があるのか。会社員の30代男性・Dさんは、「濡れた傘を閉じたくない」と言う。

「濡れた傘を触りたくないし、傘の骨が微妙に曲がっているときれいに巻けないから傘袋にも入れづらい。結局いろいろ面倒で、入れなくていいなら入れたくないというスタンスです」

 また、別の会社員の20代女性・Eさんは、「折りたたみ傘が厄介」だと話す。

「折りたたみ傘用の傘袋が用意されている場合もありますが、まだまだメジャーではありません。そもそもの折りたたみ傘に付属している袋に入れればよいのかもしれませんが、濡れた傘を入れたくないし……。かといって濡れたまま持ち歩くのも気が引ける。長い傘用の傘袋しかなかった場合、やっぱり折りたたみ傘はもともとの袋に入れるしかないのでしょうか」

 傘袋に入れたくない客側にも言い分はあるだろうが、店としては安全上・衛生上の問題もあり、どうにか入れてほしい様子。濡れた傘を傘袋に入れてくれない客の存在を悩ましく思っている店は少なくないようだ。(了)

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