リーマン・ショックの株価大暴落を機に、配当金狙いの株式投資に目覚めた配当太郎氏。いまは株価や市場の動向に一喜一憂せず、安定的な収入を得ているという。投資初心者が配当株投資を始めるにはどういった点に注意すればよいだろうか。配当太郎氏が解説する。
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日経平均株価がピークアウトして、「日本株はもう上昇しない」との声が聞かれます。しかし日本の技術力なしに成り立たない製品があることは事実ですし、10年前と比べ、利益と1株配当を増やしている日本企業は数多くあります。こうした企業に投資して配当金で長期的な利益を得ることが、私の勧める「配当株投資」です。
大きなメリットは、投資先の企業が利益を上げ続ける限り、株主は何もせずとも配当金を受け取れることです。株価の上下に応じて売買を行ない、差額で儲ける「キャピタルゲイン」に比べて、株価や市場の動向に一喜一憂せず、安定収入を得られることも利点です。
学生時代に投資を始めた私はリーマン・ショックによる株価大暴落を経験し、リスクが少なく継続的に収入が得られる配当株投資に目覚めました。現在保有する銘柄の9割は年々配当金が増える「増配銘柄」です。
配当株投資を実践するには短期間で利益を上げることを優先せず、長期的な視点で取り組むことが重要です。そのためには、「できるだけ早く始める」「複数の銘柄に分散して保有する」「長期で淡々と株数を増やす」「目標に達するまで中途半端にやめない」の4つを実践してほしい。
あくまで狙いは毎年継続して配当を出し、適時増配を行なう銘柄です。よくある「高配当ランキング」は特別増配や記念増配など、一過性の事象で上位になるケースがあるので注意しましょう。
(以下、図表で《配当太郎氏が注目する“いま仕込みたい株”5選》を紹介)
その上で、この夏に仕込みたい5銘柄を挙げました(別掲表参照)。京セラ、トヨタ自動車、三菱商事などビックネームですが、大手企業は収益に持続性があり、利益を株主にきちんと還元する傾向があります。
こうした優良企業に長期投資して、年間配当金を自動的に増やすことが合理的な投資法です。
【プロフィール】
配当太郎/学生時代に株式投資を始め、リーマン・ショックを経て、配当株投資に目覚める。保有銘柄の9割は配当金が年々増える「増配銘柄」。Xのフォロワーは18万人。新著に『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』(クロスメディア・パブリッシング)。
※週刊ポスト2024年8月16・23日号