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【“日本のバフェット”に学んだ投資哲学】株式25億円以上を保有する投資家・嶋村吉洋氏が厳選、今こそ買い増したい「日米の超王道銘柄」5選


(以下、図表で《25億円の投資家・嶋村吉洋氏が注目「今から買い増したい」日米5銘柄》を紹介)

ボラティリティの大きな米国株の購入タイミング

 竹田氏は四季報を読み込まれて、スクリーニング(銘柄のふるい分け)をなさっていたようです。私はそんな大変なことはやりたくありません(笑)。竹田氏が保有されている銘柄一覧を調べて、その中から自分の好みに合う銘柄を買ったという例もあります。そのひとつが、いま私が株主になっている「クリエートメディック」(東証スタンダード・5187)という会社です。目利きのプロが選んだ銘柄の中から買えば効率的ですからね。

 このように、私は投資家としてしっかり実績を出していて、そのエビデンスも示してくれる方々のやり方に乗っかるという、非常にラクチンな方法で投資をしてきました。私は現在、100社くらいの銘柄を保有しています。その中から、今の相場環境でもっと買い増したいと考える魅力的な銘柄を、日米の株式市場からいくつか紹介しましょう。

25億円の投資家・嶋村吉洋氏が注目「今から買い増したい」日米5銘柄

25億円の投資家・嶋村吉洋氏が注目「今から買い増したい」日米5銘柄

 まず、アメリカの電気自動車(EV)メーカーの「テスラ」(NASDAQ・TSLA)ですね。私は2018年頃からテスラ株を買っています。最近はEVの分野が少し元気がなくなっていますが、テスラ独自の技術は注目を集めていて、今後もマーケットの拡大を牽引していくと思います。テスラはボラティリティ(株価などの価格変動率の大きさ)が大きいので、これからテスラ株の購入を考えていらっしゃる方は、株価が上がっている時ではなく、ガーンと落ちたタイミングで少しずつ購入していくというやり方が良いのではないかと思います。

 米国カリフォルニア州に本社を置く、クラウドコンピューティング・サービスの提供企業「セールスフォース」(NYSE・CRM)も良いと思います。この企業は主に社内の業務を効率化していくソリューションを提供しているようです。私の周囲にはセールスフォースを導入している人が多く、「一回セールスフォースを入れると、便利すぎて絶対に変えられない」と絶賛しています。これだけ顧客満足度が高ければ、これからもどんどん業績が伸びていくだろうし、長期で保有しておけば間違いないだろうということで、私はこの会社の株を購入しました。私自身は、セールスフォースのことを全く理解していませんし、使ったこともありません(笑)。

「AIビジネス」で成長期待の日本株

 日本企業の中では「サイバーエージェント」(東証PRM・4751) が最注目です。私は以前から同社の株を持っていますが、いまはさらに買い増している最中です。その理由としてはまず、広告業界において4大メディア(新聞、テレビ、雑誌、ラジオ)はマーケット自体が縮小しているのに対し、サイバーエージェントの主戦場であるネット広告は年々伸びていく一方ということが挙げられます。

 また、創業者の藤田晋氏がトップダウンで会社を右にも左にも持っていけるというのも、私の「買い」のポイントです。ABEMAを含むメディア事業も、今年4月に発表した第2四半期決算で初めて黒字化しましたし、そういうカリスマ社長がいる会社というのは強いと思います。

 そして、サイバーエージェントはAI(人工知能)関連にも強みがあると思います。近年はAI関連の株価が上がっていますが、AIバブル自体はそのうち弾けていくと思います。AIはただのツールなので、これからは「AIをどのように使ってお金に変えていくのか」が重要になっていくはずです。そういう意味では、サイバーエージェントは早い時期からAIに投資をしていて、AIを使ったビジネスに長けていると考えられます。

 さらに、サイバーエージェントは『刀剣乱舞』シリーズなどの有力IP(知的財産)を抱えるニトロプラスを167億円で買収するなど、優良IPの確保に力を入れています。

 こういった理由で、サイバーエージェント株を長期間保有しておけば、利益を享受できるのではないかと思います。ゲームの「ウマ娘」がバズったことで株価が上がっていましたが、最近は良い感じに落ち着いてきたので、今が「買い」だと捉えることもできるでしょう。

世間的に知られていない会社の株に手は出さない

 私は海外の株(外国株式)を多く保有していますが、最近は日本株の比率を上げています。私は日本株について非常に強気だからです。現在よりかなり円高の時にドル転した資金で、海外の株を買いました。その海外の株を売却をして利益を確定させる。そして次は円転して、強気のビューを持っている日本株を買う。今のところ、計画通りです。

 時勢に関係ないところでは、通信関連、生活必需品を取り扱う会社、公共事業を行なう会社など、いわゆる「ディフェンシブ」といわれる銘柄は手堅いので、有名どころは一通り持っています。「アマゾン・ドット・コム」(NASDAQ・AMZN)や「マイクロソフト」(NASDAQ・MSFT)といった世界的大企業の株もずっと保有しています。そういう各業界でトップに立っているような有名企業は、体力があるから簡単に潰れることはないと思いますからね。

 世間的にあまり知られていない会社の株に手を出すことはほとんどありません。私の場合、ギャンブルみたいな投資をするくらいだったら、自分でビジネスを立ち上げたほうが利益を得られる可能性が高いからです。手堅い企業の株を保有し続けてコンスタントに配当をもらえれば、自分でやっているビジネスがこけたとしても補填できるし、私の商売全体としてはプラスになるという考え方です。

【プロフィール】
嶋村吉洋(しまむら・よしひろ)/投資家、映画プロデューサー。兵庫県出身。10代で起業し、ソーシャルビジネスコミュニティ「ワクセル」を発足。現在は投資家として、テレビ東京ホールディングス、オリコン株式会社など数社の大株主となり、上場企業の株式25億円以上を保有。著書に『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(PHP研究所)など。

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