12月の優待銘柄は183銘柄に上る。年末に向けて、「非課税」のメリットが受けられる新NISAの年間投資枠(成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円)を使い切ろうという「駆け込みNISA枠投資」の活発化も予想される。12月末が権利確定日の銘柄の場合、2024年12月の優待権利を取得するには、権利付き最終日となる12月26日までに株を所有しておく必要がある。警察官僚から弁護士に転身し、保有する約250銘柄は「ほぼ優待銘柄」という投資家の澤井康生氏に、12月権利確定の株主優待銘柄の傾向を聞いた。【前後編の前編・外食編】
「12月に入ると、権利付き最終日が近くなるにつれて優待銘柄の株価が上昇する傾向があります。人気銘柄は株価が上がりやすく、権利付き最終日が直前になると割高になってしまうので、権利付き最終日の1か月前くらいまでに買うことが多い。ただし、権利付き最終日まで上昇していた銘柄が、業績などのマイナス材料もないのに権利付き最終日1~3日前に株価が急に下がる場合がある。そんな時は飛びついて買うこともあります」(澤井氏・以下同)
そうした現象について、澤井氏は次のように分析する。
「おそらくですが、優待の権利付き最終日直前の株価上昇を見越して買っていた投資家が、優待取得を優先せずにキャピタルゲイン(値上がり益)狙いで売りを出したことで株価が下がっているのだと思います。権利付き最終日の1~3日前に優待銘柄の株価をチェックしておいたほうがいいと思います」
澤井氏に12月権利取りの注目銘柄を挙げてもらった。