もちろん、石破政権が参院選までもつかという問題はある。
自民党の西田昌司・参院議員は「総理の資格のない人物が、商品券のスキャンダルを抱えてもいる。そんな石破総理の下で参院選を戦うわけにはいかない。予算が成立すれば速やかに総裁選を行なうべき」と石破おろしに走る構えだ。党内では高市早苗氏、茂木敏充氏、小林鷹之氏らの総裁候補がポスト石破に向けて動き出している。
それに対して森山幹事長は「いま総裁選をやるべきじゃない」として石破おろしを牽制するなど暗闘が始まっているが、いずれにしても夏の参院選に負ければ石破首相の続投は難しい。
だが、たとえ総理が代わっても少数政権。待ったなしの年金改革には野党の協力が必要になる。「弱い政権」に野党と組んで増税をやらせるのが財務省の手法であり、参院選で自民党が勝っても負けても増税計画が進むという国民にとっての最悪シナリオが出来上がりつつあるのだ。
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※週刊ポスト2025年4月11日号