顔とQRコードを同時にタブレットで読み取る
そして、公演当日。開演時間の1時間前に開場し、期待に胸を躍らせたハロプロファンたちが徐々にコンサート会場へと入っていく。入場レーンは紙チケットと電子チケットに分かれており、紙チケットの方では係員5~6人ほどが“もぎり”を行っている。一方の電子チケットのレーンでは、3人ほどの係員がタブレット端末を持って待機している。
会場には「お早めにQRコードのご提示の上 入場口までお進みください」という貼り紙があり、記者Aもスマホに入場用のQRコードを表示させた状態で、レーンを進んだ。係員のところまでくると、タブレット端末をこちらに向けて、顔の横にスマホでQRコードを出してくださいと指示される。その状態で、顔とQRコードを同時にタブレットで読み取り、すぐさま認証が完了。そのまま入場することができた。認証が完了すると、電子チケットには自動で入場済みのスタンプが押され、あとは電子チケットに表示された座席へ赴き、コンサートを存分に楽しむだけだ。タブレット端末での認証に失敗した場合は、顔写真付きの身分証明証で本人確認することになるが、入場時にマイナンバーカードそのものが必要となるわけではない。
ちなみに、当日記者は帽子を着用していたが、帽子を脱がずに問題なく本人確認ができた。顔がしっかり確認できる状態であれば、帽子を脱ぐ必要もなさそうだ。
電子チケットによる顔認証にかかった時間はほんの数秒といったところ。紙チケットでの入場とさほど変わりはないと感じた。記者は他のコンサートでの顔写真による本人確認を伴う電子チケットでの入場の経験もあったので、特に難しいことはなく、思った以上にすんなりと入場できた。しかし、あまり慣れていない利用者にとっては少々ハードルが高いものだったことも想像できる。記者が確認した限りでは大きな混乱は見られなかったが、係員に教えてもらいながら電子チケットを表示させている利用者も数人いた。効率の良いオペレーションを実現するには、利用者側の“慣れ”も重要だと言えそうだ。
また、コンサート会場の電波状況の問題もある。当日の入場時の電波状況が悪いと、電子チケットを表示できなくなる利用者が出てくる懸念がある。今回のひなフェスにおいては、そういった混乱はなかったが、電波状況への対策は必須だろう。そして、利用者側としては、スマホの充電を切らさないようにすることも重要だ。また、ログイン情報を忘れないなどといった、基本的なことも押さえておかなくてはならない。