“万枚”突破も珍しくないスマスロの登場でスロット人気は復調したが、スマスロ導入のための設備投資が中小ホールの経営を圧迫している側面も
大手に買収された途端に来店イベント開催
都内に住む会社員のAさん(40代男性)は、長らく通っていた最寄り駅にあるパチンコホールが、ある時閉店になった時のことを振り返る。
「コロナ禍で、それまで10年近く通っていた近所のホールが閉店しました。チェーン店ではなく、設置台数が400台くらいの昔からあるお店でした。そこまで客が多い店ではなく、空いていて快適だったので、よくパチスロを打っていたんです。ところが、実は有名チェーンに買収されていたようで、閉店から3か月ほど経ったところで、その有名チェーンの屋号に変わってリニューアルオープンしたんです。オープン初日に行くと、それまでに見たことがない活気で、驚きました」(Aさん)
屋号が変わってからもそのホールに通い続けているAさん。もっとも大きな変化はイベントの開催だったという。
「以前のそのホールでは、イベントらしいイベントが開催されたことはほとんどなかったと記憶しています。でもリニューアルしてからは、店長変更のポスターが貼られたり、新しい景品の入荷を告知したりなど、集客のためのいろいろな施策をするようになりました。なかでも驚いたのが、来店イベントでした」(Aさん)
ホールの来店イベントとは、有名パチンコ・パチスロライターやYouTuberなどが来店するイベントのこと。ライターやYouTuberがホール内で動画の撮影をすることもあれば、一般の来場客とともに遊技を楽しむだけのこともある。
「そのホールは朝イチにお客さんが並ぶこともあまりなく、朝から打つお客さんは多くても20人くらいのものでした。でも来店イベントがあった日は、100人以上朝から並んでいましたね。その日は確かにパチスロにも高設定台がいつもより多く入っていたと思います。結構たくさん出しているお客さんもいたし、『大手チェーンのイベントは“ガセ”ではないんだな』と実感しました。
今の大手チェーンになってからの方が出玉の面で高設定を期待できるようになった感覚があるし、毎日それなりにお客さんがいて、そこそこ稼働しているので、台のデータを見て設定を予測しやすくなったというメリットも。昔は、ほとんど稼働していない台ばかりだったので、データを見ても意味がなく、ただなんとなく台を選ぶだけだったので。ちゃんと“やる気があるホール”に生まれ変わったという感じです」(Aさん)