むしろ、個人情報を無理に聞き出すと、個人情報の取得者として『個人情報保護法』による適切な管理が求められます。例えば顧客情報を不用意に第三者に提供したり、顧客情報の管理データなどが何らかの事故で外部に漏洩すると、同法違反の不法行為として責任を問われることもあります。
金融機関など金銭の流れの透明化により、マネーロンダリングを防止することが義務付けられている業態なら、正確性の確認は重要ですが、その心配がない事業者が顧客の意思に反してまで、個人情報を取得する必要はありません。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2025年5月2日号