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キャリア
“推薦6割”時代の付属校進学という選択

医学部や理工系を目指すのに付属校は有利なのか?「慶應医学部に内部進学するのは化け物です」と塾講師

大学入学者数別で見ると、私立大学では6割超、大学全体でも5割超が総合型選抜あるいは学校推薦型選抜となっている(令和六年度・文部科学省委託調査「大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究」より)

大学入学者数別で見ると、私立大学では6割超、大学全体でも5割超が総合型選抜あるいは学校推薦型選抜となっている(令和六年度・文部科学省委託調査「大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究」より)

一般入試のハードルが下がる中での選択をどうすべきか

 また、付属校は総じて学費が高い。慶應義塾高校の年間学費(授業料や設備費など)は103万円ほどで、早稲田大学高等学院は134万円ほどだ。一方で、開成高校ならば67万6200円。都立高校はさらに安いし、大学受験対策にも力を入れている。高校だけならまだしも中学から付属校に通わせるとかなりの経済的な負担が生じる。今、都立中高一貫校は志願者が減っているが、このところ入試問題が変化し私立との併願がしやすくなっている。都立中高一貫校ならば学費を抑えることもできよう。

 大学受験自体は全体的にハードルが下がっている。その中で、進路の確約を早期に得るために、中学受験や高校受験で付属校に入ることは、必ずしも安心とは言えないのかもしれない。

「推薦6割の時代に付属校に入学することは、大学受験で有利なのか」という問題をここまで考えてきた。この第2回記事では医学部や国立理系に進学したいと思い、一般選抜を選択するケースも考慮に入れてレポートした。

 推薦入試が拡大しているが、少子化の影響で一般選抜は競争はゆるやかになっている。その流れの中でそうそう早くに大学進学の確約を求めることはメリットばかりではない。しかし、実は付属校には新たなメリットも生まれつつある。次回記事では、それについてご紹介しよう。

■第3回記事:《女子大不人気の中、日本女子や聖心の付属校が“総合型選抜の強豪校”になっているのはなぜか 推薦入試で武器になる「国語と英語の読み書き」を鍛えるカリキュラム》に続く

杉浦由美子氏の著書『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)

杉浦由美子氏の著書『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)

【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)も話題に。『ハナソネ』(毎日新聞社)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)で連載をし、週刊誌や月刊誌で記事を書いている。受験の「本当のこと」を伝えるべくnote(https://note.com/sugiula/)のエントリーも日々更新中。最新刊は『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)。

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