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キャリア
“推薦6割”時代の付属校進学という選択

女子大不人気の中、日本女子や聖心の付属校が“総合型選抜の強豪校”になっているのはなぜか 推薦入試で武器になる「国語と英語の読み書き」を鍛えるカリキュラム

「総合型選抜の進学校」としての付属校

 前述の通り、立教大学の系列校・香蘭女学校の生徒も、2024年度17%が総合型選抜や学校推薦型選抜で他の大学に進学している。指定校推薦も含まれると推測されるが、総合型選抜も多いだろう。香蘭は調べ学習にも力を入れており、それも総合型選抜では強みとなる。立教大学との高大連携で、大学の教員が学習の指導もする。

 芝浦工業大学付属高校も同じように、大学から派遣された教員が指導をし、質の高い探究学習が実施されている。それは芝浦工大以外の大学への進学のツールにもなるはずだ。

 付属校は一般選抜対策にそこまで熱心ではない。では、なにをやっているか。大学に入ってから学べる力を伸ばしている。少子化の中で大学は生きのこりのために、より優秀な学生を集めようと努力している。その大学へ優れた学生を送り出すのが付属校の役割だ。教師たちが手塩にかけて育てた学生たちは他大の総合型選抜にも合格していく。大学入学者の6割が推薦の時代に、付属校が持つ「推薦入試の進学校」としての側面にも注目すべきだろう。

■第1回記事:《大学入学者の6割が推薦の時代「付属校に進学すれば確約」は本当か?揺れる生徒や保護者の思い 内部進学のための塾通い、希望する学部がなく外部受験を望むケースも》から読む

杉浦由美子氏の著書『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)

杉浦由美子氏の著書『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)

【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)も話題に。『ハナソネ』(毎日新聞社)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)で連載をし、週刊誌や月刊誌で記事を書いている。受験の「本当のこと」を伝えるべくnote(https://note.com/sugiula/)のエントリーも日々更新中。最新刊は『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)。

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