今週のドル円はどう動く?
投資情報会社・フィスコが4月28日~5月9日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週・来週の米ドル円は弱含みか。米トランプ政権はドル高政策の維持を表明し、ドル安を見込んだ売りは後退しそうだ。ただ、金融政策の独立性などでドルに対する信認は低下し、ドル売り地合いは続く。日米財務相会合について、加藤財務相は米国から為替目標やそれに対する枠組みの話は全くなかったとし、ベッセント米財務長官は「緊密かつ建設的な議論で一致」と発言。それを受け、市場はドル買い・円売りで反応した。一方、米中貿易摩擦への懸念は後退。ベッセント氏は段階的な交渉による歩み寄りの姿勢をみせており、米高関税政策の影響に対する懸念の後退でドルへの買戻しが入りやすい。
半面、トランプ米大統領はパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の更迭をめぐる可能性を否定したものの、利下げ圧力は弱めていない。金融政策の独立性が揺らいだことによる信認低下のドル売り地合いは、目先も続くだろう。目先発表される国内総生産(GDP)や雇用統計が堅調ならスタグフレーション懸念は和らぎ、株高・円安でドル円は過度な下げを回避しよう。
【米・1-3月期GDP速報値】(4月30日発表予定)
4月30日21時半発表の米1-3月期GDP速報値は前期比年率+0.4%と、前回の+2.4%から伸びの鈍化が顕著になると予想され、減速懸念のドル売りに振れやすい。
【米3月コアPCE価格指数】(4月30日)
4月30日発表の米3月コアPCE価格指数は現時点で前年比+2.5%と、前回の+2.8%を下回る見通し。インフレ圧力低下ならスタグフレーション懸念のドル売りは一服。