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ビジネス
危ない米国産食品

日本の食品衛生基準に違反する「米国産食品」事例が多発 長年指摘される日本の検査体制の問題点、違反判明時にはすでにスーパーや飲食店に出回っているケースも

検査で違反が判明したときには、食品がすでにスーパーに出回っているケースも(写真:イメージマート)

検査で違反が判明したときには、食品がすでにスーパーに出回っているケースも(写真:イメージマート)

 日本では目下、食料品の価格上昇が国民的関心事だが、ないがしろに出来ないのが安全性。「トランプ関税」の一環で、米国は日本に対し農産物の輸入拡大を強く求めているが、米国産食品で、輸入時に日本の食品衛生法に違反する事例が多数確認されている。「厚生労働省の輸入食品監視統計(2023年度)では、国別の食品衛生法違反で米国は中国(206件・27%)に次ぐ第2位(100件・13.1%)だった。

 政府備蓄米放出でも価格高騰が止まらない「コメ問題」も米国と無縁ではない。トランプ政権の関税措置をめぐる日米交渉では米国産のコメの輸入拡大が焦点のひとつと見られているが、食品問題に詳しい消費者問題研究所代表の垣田達哉氏はこう指摘する。

「コメについては、日米間の船便での輸送中に起きたと見られるカビの発生や腐敗が違反事例に見られます。厚労省の資料にはどのようなカビか書かれていませんが、カビの種類によっては、アフラトキシンのような毒を産生する恐れがある。厚労省はカビの種類も含めて検査結果の詳細を公表するべきでしょう」

 食の安全に詳しいジャーナリストの小倉正行氏もこう警告する。

「コメの輸入に関し、日本はミニマムアクセスとして年間77万トンを米国などから無関税で輸入しています。政府間取引のように何年間も継続的に輸入される食品は、検査が年に1度きりで済むような措置がある。米国産のコメの輸入拡大に伴い検査の徹底が求められますが、現実はそうなっていません」

 実際、日本の検査体制は長年にわたり課題が指摘されてきた。輸入食品について違反の有無を水際で調べる全国32か所の検疫所について、「まったく足りていない」と小倉氏は言う。

次のページ:日本の輸入食品の検査体制は大きく分けて4つ
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