早稲田大学教育学部卒業の「びーやま」氏(左)と、京都大学経済学部中退の「高田ふーみん」氏(右)
過熱する中学受験。親も巻き込んだ熾烈な戦いで、塾をはじめ数多の対策情報が巷にあふれるが、その「成否」を分けるポイントはどこにあるのか。
今年、きれいごと・忖度一切なしで「大学受験の真実」について明かした『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』(ダイヤモンド社)を上梓した、チャンネル登録者数 63.4万の2人組受験系YouTuber『wakatte.TV』の「びーやま」氏と、“学歴モンスター”キャラで日本の学歴社会を皮肉る発言が人気の相方「高田ふーみん」氏が、成功する中学受験、失敗する中学受験の本質を語る。(シリーズ第3回。第1回から読む)
過熱する中学受験、「勝者」と「敗者」を分けるモノ
――都心部では中学受験が過熱しています。受験の成否を分けるのは、何がポイントなのでしょう。
ふーみん:親の適切な距離感なのかなと思います。ダメパターンは、親が管理しすぎる、厳しくしすぎる、子供の意思を無視する。僕たちはいろんな親の話も聞いてきましたけど、東大生の親に共通するのはめっちゃ放任なんすよね。子供たちの自主性に任せている。
びーやま:子供の主体性を大事にして伸ばすか、主体性を無視して育てるかで、失敗か成功かが分かれる印象です。
ふーみん:とはいえ、中学受験は親の努力のような部分はありますよね。ただ、要は“愛があるかないか”だと思うんです。
ダメな例では、親が自分の見栄やメンツのために、子供にはいい中学に行かせたい、と強く当たるケースはよくあって。でもそれは本来の教育じゃないし、子供は自分が親に利用されていることを敏感に感じ取っているものです。
びーやま:子供はアクセサリーじゃないと言いたいですね。中学受験に成功する家庭は、そもそも子供に主体性を持たせるように誘導するのがうまいですね。自分がこれをしたいんだって思わせるように仕向ける。
ふーみん:そうそう。そういう親は、子供に“学ぶことは楽しい”という原体験を物心つく前ぐらいから仕込んでて。ナチュラルに勉強は面白いと思える子が、中学受験をして受かるのはいいパターンです。
ダメパターンって、小4ぐらいになってから、急に親が焦るんですよ。今まではスマホでゲームやらせてとか好き勝手させてたのに、小4になって「そろそろヤバい」と、いきなり塾に通わせて、勉強、勉強って口うるさくなる。子供からしたら、今までそう育ててなかったやん、急にそんな方針転換されてもついて行けるわけないやん、みたいな。
びーやま:それで失敗したら、そういう親は必ず「あんだけお金かけたのに」って言いますよ(笑)。