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教皇選挙を見たオバ記者が振り返るカトリックとのかかわった思い出 「天国泥棒」という言葉を聞いて「その手があったか!」

教皇選挙には世界中の注目が集まった(レオ14世。写真=dpa/時事通信フォト)

教皇選挙には世界中の注目が集まった(レオ14世。写真=dpa/時事通信フォト)

 世界中から注目を集めた教皇選挙「コンクラーベ」を経て、第267代教皇・レオ14世が就任した。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんが、教皇選挙を見ながら思い出した、自身の数少ないカトリックとのかかわりについて振り返る。

物珍しさにクリスマスミサに参加

 映画『CONCLAVE(邦題/教皇選挙)』が話題になったタイミングでローマ教皇が亡くなって、私も夜中までシスティーナ礼拝堂の煙突を見つめちゃった。大勢が注目することから目が離せないのは記者の性? いや、それだけじゃないね。これといった宗教を持たない私だけれど、20代半ばにイタリアの歴史物語の作家・塩野七生さんに夢中になって、そうなると、舞台になった街や教会を見ずにはいられない。ということと関係があるのかないのか。ま、それはともかく、実はカトリックの神父に助けられたことがあるのよ。

 あれは30年前、私が経営していた編集プロダクションにライター見習いとしてカトリック信者の若い女性が入ってきたの。物珍しさに「信者って何するの?」「しちゃいけないことって何?」と質問攻めにしたら、「ものは試しです。クリスマスミサに出てみませんか」と誘われた。東京の郊外の教会に泊まりがけで行って、ミサの前夜はみんなで食事をするそうな。

「みんなって何人?」「20 人くらい」。聞けば教会に隣接している司祭館には町のレストランくらいの大きさの厨房があるのだとか。そこで毎年、カレーライスを作って食べるんだという。それを聞いたらもうがまんできない。

「あのさ、そこで私にフルコースの料理を作らせて」とシャシャリ出たわよ。料理に凝っていたときで、大々的なレストランごっこをしたくてたまらなかったんだわ。

「H神父に聞いたら、ぜひぜひ、だって」とライター見習い嬢。電話に出たH神父は、「ではお礼に野原さんの願い事が叶うミサをあげて差し上げましょう」と言うではないの。

 願い事……。実は当時、私はどうにもならない問題を抱えていた。地方のアマチュアカメラマンから雑誌に使う予定で借りたネガフィルムを紛失してしまったのよ。事務所のどこかにあるはずだけど、血眼になって探しても見つからない。カメラマン氏は日が経つにつれて、「使用しないならすぐに返してください」から「ふざけんなっ! 訴訟を起こすから覚悟しやがれ」と電話を叩き切られ、私は追い詰められていたの。

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