大の里のタオルが置かれていた場所はカラに
ロイヤリティ料は発生しない
「応援うちわVER.2」(550円)は今場所からリニューアルされたということで、遠藤、若隆景、翔猿、尊富士ら人気力士が売り切れたが、やはり真っ先に完売したのが大の里だったという。
大の里の応援タオルや応援うちわのみならず、「力士アクリルスタンド」(880円)「刺繍ハンカチ」(1100円)が売り切れとなっている。
国技館内には「大相撲ガチャ」(1回500円)や「大相撲クレーンゲーム」(1回300円)のコーナーがあり、「力士ミニタオル」「ウッドストラップ」「力士応援リストバンド」などが手に入るが、大の里の四股名が出てくるまで繰り返すファンもいる。
大の里の綱取りが国技館で経済効果を生み出しているのだが、ある若手親方は「そろそろ相撲協会も考えを変えないといけないだろうね」と、こう続けた。
「プロ野球では選手個人名のグッズが売れると、ロイヤリティ料としてオフにまとまったお金が支払われる。ところが、相撲協会では四股名は協会に登録する芸名の扱いで、協会に帰属するという考え。そのため四股名入りのグッズが売れても協会の収入となる。若貴時代には売店に若貴の商品が50種類以上あり、協会と話し合ったそうだがロイヤリティ料は一切認められなかった。力士の手形も、印刷するより稽古後に力士が実際に押したほうが経費は安いと考えるような組織ですからね。
様々なことが協会の胸三寸で決まる。引退後の四股名使用も、北の富士さんや舞の海さんはよくて、小錦さんはダメでKONISHIKIと横文字を名乗っている。そういうやり方でいいのか。人気力士の有無で観客動員数が変わる現実を踏まえ、考えを変えないといけない時代かもしれないですね」
フィーバーを巻き起こす大の里が、土俵の外のビジネス構造も変えるのか、注目が集まる。
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