放置自動車にどう対応すればよいか(写真:イメージマート)
家の近くに長きにわたって自動車が放置されていた場合、どのように対処すればよいのか。実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。
【質問】
家の門の前に、空き地があるのですが、2年前から3台の乗用車が放置されています。その間、持ち主が取りに戻ってくるだろうと思いきや、誰も引き取りに来ず。車なので、勝手に動かしてはよくないと考え、今の放置状態のままにしているのですけども、この場合、どこに連絡して処分するのが適切ですか。
【回答】
引き取りがないまま朽ち果てるだけの自動車が門前にあれば、外見が悪いだけでなく、放火やごみの不法投棄などの犯罪により、現実の被害を誘発する可能性もあります。
土地の所有者に連絡して、車の持ち主に撤去を求めてもらうのが筋ですが、土地所有者が判っても、車のナンバープレートが外されていると、撤去を要求する車の持ち主がわからないことになります。
誰の所有物かわからないままに、市民生活が脅かされる状態が続くのが、放置自動車の問題です。
そこで自治体によっては、対策を講じているところがあります。例えば、千葉市の放置自動車発生防止条例では、自動車の放置を禁止し、通報があれば市長が必要に応じて調査。車の持ち主に撤去を勧告し、応じない場合は撤去を命じ、持ち主不明で放置自動車による生活への支障が著しいときは移動させ、廃物の場合は処理したり、廃物といえない場合は保管の上、売却できます。なので、お住いの市町村の役場に尋ねてください。