ドン小西夫妻の若かりし頃の写真(本人提供)
「離婚はしたけど心底憎み合ったわけではない」
そして、2人の関係にも変化が生じたという。
「離婚のほとぼりが覚めると年に数回、娘や孫を交えて食事するようになった。数か月に1回くらい、『元気?』とメールが来たり。離婚はしたけど心底憎み合ったわけではありませんでした」
数年前に軽井沢に別荘を持つと、「盆暮れ正月は軽井沢に家族で集まる」という程よい距離感ができた。そうした関係性が再婚へと繋がった。
「軽井沢では別の部屋で寝るし、2日目まで良くても3日目には喧嘩になるけどね(笑)。でも、70歳を超えて両親を見送り、自分の老後を考えて人生を見つめ直した時、“仕事だけ”という気持ちが薄れた。今まで広げてきたものを畳み、人間関係や仕事をコンパクトにして質を重視したら、次は『誰といたいか』を考えた。そこで早苗の存在が大きいことに気がついたんです」
熟年再婚宣言は大きな反響を呼んだ。なかには「事実婚でもいいのでは」との反応もあったが、あえて籍を入れるという。
「事実婚は絶対イヤ。ちゃんと籍を入れて、自分の財産をスムーズに相続できるようにして安心したい。お金より大事なことがあるからこそ、逆にお金に振り回されることのないようにね」
様々な経験を経た末に「熟年再婚」を決断した人に、もう迷いはない。
※週刊ポスト2025年6月6・13日号