含み損を放置することにはデメリットも(イメージ)
「保有株が含み損を抱えたときにどうするか」の判断は、株式投資家のスタイルによって分かれる。資産約3億円の投資家・kenmo(湘南投資勉強会)氏は、「含み損を放置している人の多くは、結果的にもっと大きなチャンスを逃している」と考えている。その真意について「株で失敗する人」の具体例を挙げながら解説する(kenmo氏の新著『5年で1億貯める株式投資』(ダイヤモンド社)より一部抜粋して再構成)。
失敗例:いずれ株価が戻ってくるだろうと損切りせず…
B社株を購入したところ、30%下落してしまった。現物株なので、いつか株価が戻ってくることを信じて、持ったままにしておいた。そのうちに株価が暴落してしまい、その後も株価はまったく戻ってこず、身動きがとれなくなってしまった。
含み損を放置している人の多くは結果的にもっと大きなチャンスを逃している
このケースの場合、まずは「機会損失」していることが、もったいないです。
たとえば、100万円を投資した銘柄の株価が30%下落し、70万円に減ったまま“塩漬け”し続けても、その価値はさらに減るかもしれません。
しかし、一時的に痛みをともなっても70万円で損切りして、別の有望株に資金を移し、その後1年かけて2倍株になったとしたら、資産は140万円と40%も増えます。
もっとも、こんなことをいう投資家もいます。
「機関投資家は他人の資金を預かって運用しているため、短期的な利益獲得を求められるけれど、個人投資家は自己資金で運用しているので、中長期的な視点に立って、短期的な下落時に売らなくてもいい点に強みがある。その企業の成長シナリオが崩れていないのであれば、いずれ株価は戻ってくるはずだ」
こんな投資家の発言を真に受けて、含み損を放置している人の多くは、結果的にもっと大きなチャンスを逃していると私は思います。