過信は失敗につながりやすい(写真:イメージマート)
株式投資で失敗する人にはいくつか共通点がある、と指摘するのは資産約3億円の投資家kenmo(湘南投資勉強会)氏。元手300万円から5年で資産1億円を達成したkenmo氏が考える「株で失敗する人の特徴」とは何か? kenmo氏の新著『5年で1億貯める株式投資』(ダイヤモンド社)より一部抜粋・再構成して紹介する。
失敗例:自分を信じたことが裏目に…
いろいろと調べて自信を得たうえでA社株を買ったけれど、ゆるやかに下落して含み損を抱えてしまった。「これは割安になった!」と思い、ナンピン買いを続けていたが、株価がいっこうに上がらない。「どう考えてもこれ以上安くなるはずがない、自分の予測は間違っていないはず」と信用取引でナンピン買いを入れたところで、相場全体の株価急落の憂き目に遭い、「もうどうしていいかわからない!」と“ろうばい売り”したところが底値……その後、株価がグングン上昇していったのであった。
漠然と自分を過信しない
投資で大損してしまう人の一番の大きな要因は、「自分を過信する」ことにあります。投資に限らず、物事にちょっと慣れてきたときに起こりがちな失敗ともいえます。
多くの人は、投資を始めた当初は慎重に銘柄を選び、その値動きを注視するはず。ですから、初心者ほど手痛い失敗が少ないのです。
2024年1月に新NISA(少額投資非課税制度)が始まり、投資信託だけでなく、成長投資枠で個別株投資を始めた人も少なくないと思います。しかし、最初から大損して投資資金が底をついてしまったという話は、あまり見聞きすることがありません。
ところが、何度か成功して資産を積み上げていくうちに、その慎重さを失ってしまいがちなのです。
2024年初頭、造船銘柄が爆上げしましたが、買った株が上がり続けると「自分は株の才能があるんじゃないか!」なんて思い、あまり勉強しなくなってしまう人も多いです。
そういう人ほど、だんだん相場が軟調になってくると、何を買ってもうまくいかないようになりがちです。
それでも、ちょっとした成功体験があるがゆえに、漠然と自分を過信してしまい、「次こそは大丈夫」と資金を突っ込み、また失敗する……といったことを繰り返し、やがて退場に追い込まれるケースもあるのです。