絶妙なバランスで、デザート感覚で食べられる仕上がり
練り物を「デザート感覚」にする挑戦
確かに日本人にとって魚肉の練り物といえば、「調理素材」「おでんの具材」などのイメージも根強い。だからこそ、必要だったのはワンハンドで気軽に食べられるカジュアルさだったという。
「魚肉練り製品のそのままで食べられ、そのままでおいしいというベネフィットを最大限に活かしつつ、単身世帯の食事やおつまみ、育ち盛りのティーンのおやつにも最適という、様々な食シーンで活用できることを表現するためにバータイプの商品を展開しました」
「チョコレート味」の誕生理由もイメージの固定化から抜け出すことだった。
「魚肉練り製品はちくわやさつま揚など、おつまみ系のものが多いのですが、小腹が空いた時にデザート感覚のおやつとして食べられるものがあったら面白いのものを考えたら、チョコレートだなと」
チョコレート味を食べてみると、しっとりとした食感で、濃厚なチョコレートの味わいが口に広がる。「練り物感」がないわけではなく、後からほのかに魚の香りが感じられる。絶妙なバランスで、デザート感覚で食べられる仕上がりだ。Xでも〈予想に反してイケる〉〈クセがなくて好き〉など、ネーミングのインパクトとは裏腹に好評のようだ。
イメージの脱却とともに、食シーンも拡大中の「SURIMI」。広報担当者によれば、今後さらに新たなフレーバーの展開も視野に入れているという。「SURIMI」ブランドが、日本の練り物界のイメージを塗り替えるか。