15回の開催を数える「白鵬杯」(時事通信フォト)
協会のスポンサーというよりも、白鵬個人を支えているとされ、退職後も「白鵬はトヨタ自動車が中京大や豊田市と組んだ産官学連携事業であるスポーツアカデミーで活動する計画がある」(同前)とみられる。
トヨタ自動車に退職後の白鵬を支援するのか尋ねると豊田会長の回答として以下の内容が寄せられた。
「宮城野親方とは友人としてお付き合いさせていただいております。折に触れてお会いすると、常に話題は日本の相撲の発展のため、相撲を通じて世界を結び、次世代のために何が出来るのかということでした。相撲を心から愛し、相撲文化の発展と継承に誠心誠意尽くされる宮城野親方の姿は、多くの人の共感を生み、2年前に東海宮城野部屋後援会の発足にも繋がりました。私も友人として同後援会の名誉会長を務めております。今後の活動につきましても、何かお役に立てることがあれば、ご相談してまいります」
“閉鎖性”を逆手に取る
そうした世界的企業との関係も下支えにしながら、白鵬が目指すのは相撲の“世界展開”だ。
「新しい組織を作ってまずは相撲イベントなどに携わり、さらにはアマチュア相撲の世界的組織を立ち上げるつもりだという。その先には格闘技『SUMO』のプロ化まで視野に入る。柔道がJUDOとして国際化したように、SUMOを世界的な競技に発展させて、自身がトップの“第二相撲協会”がワールドカップを開催するような構想です」(相撲ジャーナリスト)
すでに下地はある。それが前述の「白鵬杯」だ。2010年に第1回大会が開かれ、今年で15回を数える。
「協会は後援に加わらず、白鵬自らがスポンサーを募って特別協賛のSANKYOや協賛のトヨタなどが支えてきた。今年2月の大会は宮城野部屋が閉鎖中にもかかわらず、国内40都道府県に加え、モンゴル、ハワイ(米国)、韓国、ブラジル、ポーランド、ウクライナなど15の国と地域から203団体、1144人がエントリーした。
スポンサーを集めてイベントを打つ白鵬の能力と先見性は一流であることが証明されている。モンゴル出身力士で協会を去った朝青龍や旭鷲山らは日本とモンゴルを舞台にビジネスを展開しているが、白鵬なら世界規模でやれる可能性がある」(相撲ジャーナリスト)