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ビジネス

「通話後に泣き出す」「過呼吸に」…カスハラ被害を受けがちな「コールセンター」運営者が明かす実態と対策の苦労 マニュアル整備だけでなく課題となるのはメンタルケア

多様なリフレッシュ方法を用意

 ちなみに、カスハラを行ないがちな属性の共通点を聞いてみると、同社では「何かに不満や怒りをぶつけたい人や、自分こそが正しいはずだ、といった“相手を貶めたい人”は増えている体感がある」と話す。

 一方で、オペレーター側の立場になってみれば、電話に恐怖心が芽生えて行動量(架電数)が減ってしまうと、業務の成果に影響が出る。そのため同社では、対応困難な場合の通話中断プロセスの整備やエスカレーション体制の明確化(問題発生時に対応の責任者を明確にし、適切なレベルまで対応を上げていく仕組み)といったオペレーションによる対策に加え、オペレーターのメンタルケアやリフレッシュ面にも気を配る。

「対応が困難な場合は速やかに管理者に代わるなど、一人で抱え込まないようにすることが大切です。また、長期対応の後などは休憩時間外でも散歩やストレッチなどリフレッシュしてもらうようにする場合もあります」

 座りっぱなしで電話を受けるオペレーターにとってリフレッシュは必須であり、楽しみのひとときでもある。今の時代、ユニークにも思える取り組みは、「喫煙ブースを設置した」ことだ。

「軽食やのどケアを兼ねた飴玉は欠かしませんし、最近だとフロアに喫煙ブースを設置しました。時代に逆行しているかのように思われるかもしれませんが、意外にもオペレーターに喫煙者は多いのと、リフレッシュ方法の選択肢は多いに越したことはないので。ビル内に喫煙スペースがなく、公共喫煙所は遠くて休憩時間中に往復するのは厳しかったのと、設置の手軽さが決め手になりました」

 カスハラは刑法上名誉毀損や威力業務妨害などにあたる犯罪行為だが、厄介なのは、受ける人のメンタルやキャリアを蝕む可能性もあるということ。顔が見えないオペレーターも一人の人間だということは覚えておきたい。

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