スマホを見ながらの自転車運転の罰則は?(イラスト/大野文彰)
歩行者にとって脅威となるのが、交通ルールを守らない自転車だが、最近は自転車の交通違反の罰則が強化されている。弁護士の竹下正己氏が、実際の法律相談に回答する形で自転車の交通違反の罰則について解説する。
【相談】
先日、歩道を歩いていたら、自転車がぶつかってきました。自転車に取り付けたスマホを見ながら運転していたようです。幸いけがはなかったのですが、スマホを見ながら運転している自転車が多く、事故も増えているのでおちおち歩いていられません。
近年、自転車の道路交通法が新しくなっていると思いますが、覚えておくべきルールと罰則について教えてください。(神奈川県・58才・パート)
【回答】
道路交通法上、自転車は「軽車両」で、自動車と総称して「車両」として規制を受けます。ですので自転車に乗車すれば、「軽車両」あるいは「車両等」として定められた道交法の義務が適用されます。
自転車に関する最近の法改正としては、酒気帯び運転とながら運転の禁止があります。
道交法65条の1項で「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と定めており、酒気帯び運転は厳禁です。酒に酔った状態(アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態)で車両等を運転すると、「酒酔い運転」として5年以下の懲役または100万円以下の罰金で処罰されます。自転車運転も含まれ、以前から自転車の酒酔い運転は処罰されることになっていました。
酒に酔った状態とはいえない場合でも飲酒運転は危険です。そこで、呼気1Lにつき0.15mgまたは血液1mlあたり0.3mg以上のアルコールを身体に保有する状態で運転した場合にも、「酒気帯び運転」として3年以下の懲役または50万円以下の罰金で処罰されます。これに関しては、自転車は除外されていましたが、法改正により昨年11月からは自転車も処罰対象になりました。