年金が信用できないから自ら備える“貯株”を
年金不信が高まり、将来の受給額減や支給開始年齢引き上げも懸念するなか、かんちさんはこう話す。
「不足するであろうお金を現役時代に自分で蓄えることが一番の解決策じゃないでしょうか。私は消防士として勤めている時から、少しずつ貯金をするようなつもりで株を買い足していった結果、“じぶん年金”が完成しました」
かんちさんが株式投資を始めたのは20代の頃。節約しながらお金を投資に回し、高配当株と株主優待株を組み合わせて「買ったらほとんど売らない」という手間のかからない“ほったらかし投資術”を実践してきた。49歳で早期退職して専業投資家になった時の資産は約1億円。その後も順調に資産を増やし、現在の保有銘柄は600を超える。年間約2400万円の配当金収入で生活費のすべてを賄い、優待株でも金額換算で年間約120万円分の優待品を手にしている。
「公的年金が信用できないから自ら備える。その手段のひとつとして、現役の時から少しずつ株を買う。そうやって買った株をずっと持つ。私はそうしてきました。貯金と同じ発想で、“貯株”ですね。そんなに難しいことをやっているつもりはありません」
配当・優待で生活コストが下がるメリットも
かんちさんは株価が下落局面の時も毎年投資を続けた。そういう状況では投資をしても資産額は変わらないが、持ち株を増やしたことにより、株価が回復した時に大きく資産が増えるわけだ。
「厚生年金は会社負担分の保険料も考えれば払った額から増えていないことも多いはずだが、株式投資の平均リターンは10年で2倍とされ、40年運用すれば元金の16倍まで膨らむ。自分で運用することの優位性はあると考えます。
優待株や高配当株は買えば買うほど生活コストが下がり、使うお金が劇的に減ります。余った資金で更に株を買う。若いうちから買い続ければ、定年の頃にはじぶん年金が完成すると思いますよ」
銘柄選びについては、「ビジネスモデルが優れていて、業績が伸びそうな銘柄ですね。いわゆる増収増益増配株で、なおかつ現在の利回りが比較的高いもの。買い替えるのは難易度が高いので、ずっと持っているのがいい」と話した。
かんちさんが注目するのは具体的にどのような銘柄か。関連記事『資産8億円超のかんちさんが600超の保有株から厳選した3銘柄!“じぶん年金”づくりのために高配当株を割安タイミングで仕込んで長期保有』で詳しく解説している。
【プロフィール】
かんち/1961年、三重県生まれ。元消防士。専業投資家。投資初心者でもわかりやすく、判断基準が明確で再現性の高い投資手法は、個人投資家の間で定評がある。初の著書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株投資入門』(ダイヤモンド社刊)はベストセラーに。