全館空調とエアコンの自動清掃に潜むの“罠”
旅慣れた人でも失敗することはある。仕事で全国を飛び回る自営業のK氏(50代/男性)がやられたのは全館空調のホテルだ。
「数年前のことです。そのホテルは名建築として名高いクラシックホテル。立替えが決まっていたため、思い出づくりに予約しましたが、部屋に入ると、枕元に『当館は全館空調を採用しています』『○月○日までは暖房、○月○日以降は冷房です』と記されており、自分で部屋の温度を調節できません。当日は肌寒かったのに、全館空調は冷房。フロントに電話すると毛布を持ってきてくれましたが、危うく風邪を引くところでした。
帰り際、『昨日は冷房が寒くて毛布をもらったけど、逆に暖房が暑かった時はどうするの?』と聞いたら、『扇風機をお貸しします』という返事でした。それ以来、古めのホテルに泊まる時は、全館空調かどうか調べるようにしています」
冷暖房がきちんと効いてもダメなパターンもある。前出のY氏はつい先日、ビジネスホテルの部屋でエアコンのリモコンを投げつけそうになった。
「チェックインした時は暑かったのでクーラーをつけましたが、ベッドに入るタイミングでエアコンを切りました。ところがエアコンはカタカタと音を立てて動いたままで、一向に止まる気配がありません。そのまま寝ようと思いましたが、結構音が大きくて、気になって寝られないんです。
そこで、部屋の電気を点けてエアコンをチェックすると、自動清掃機能が作動しており、羽根がカタカタと動き続けています。音が気になって仕方ないので、リモコンのボタンを色々押しましたが、止め方がよく分かりません。イライラしてすっかり眠気が覚めましたが、結局エアコンは1時間以上、自動清掃を続けていました。メーカー名はしっかりチェックして、“絶対買わない”と決めました」
満足できるホテル選びは、なかなか難しいようだ。