コインロッカーにも値上げラッシュの波
短時間、荷物を預けたい時に重宝するコインロッカーにも、物価高の波が押し寄せている。駅ナカや街中、ライブ会場内のコインロッカーの利用料金の改定が相次ぎ、買い物や旅行、そして推し活などで利用する人に影響が及んでいるようだ。今、コインロッカーの価格や利用実態はどうなっているのか。利用者たちのリアルな声から探る。
実質2倍以上の値上げに「理由がわからない…」
「買い物の荷物が多くなったので、駅ナカのロッカーに預けようとしたら、小さいサイズのロッカーの利用料金500円になっていてびっくりしました。10年くらい前の300円くらいの印象が強かったので高く感じます」
そう語るのは、メーカー勤務の40代女性・Aさん。「ちょっと駅で荷物を預けたかっただけなのに……」というのが本音だったが、結局は「我慢して荷物を持ち歩き、そのままカフェに行きました」と苦笑する。
実際、駅ナカのコインロッカーの利用料金の値上げは進んでいる。JR東日本の駅構内のコインロッカーを管理するJR東日本スマートロジスティクスは、2024年3月に一部のロッカーにおいて、小型で400円から500円に値上げ(駅や設置場所、ロッカーの仕様により金額は異なる)。地下鉄でも同様に、東京メトロコマースが管理するコインロッカーも、2025年1月に改定前400円だった小サイズを100円値上げし500円に変更した(いずれも始発から終電時まで)。
金融機関勤務の30代男性・Bさんは、旅行が趣味。しばしば使っていたコインロッカーの大幅値上げに驚いたことを明かす。
「よく、会社を退社してからその足で週末旅行に行くことがあって、そういう時に荷物を入れる場所としてコインロッカーは重宝していたのですが、先日、それまで小サイズのロッカーで12時間400円だったのが、6時間500円になっていました。中サイズなら12時間500円から6時間700円、大サイズなら12時間700円が6時間1000円。実質2倍以上の値上げですよね。食品や日用品は原材料の高騰や輸送コストなどで値上げも理解できますが、前からあるコインロッカーの値上げは、一体何の値上げなのか……」