男性に比べ平均寿命が長い女性はいつから年金をどう受け取るのが正解か(イメージ)
進学、就職、結婚、子育てと、人生の節々であらゆる「選択」を乗り越え、残るは悠々自適な老後生活……と、安心するのはまだ早い。60才を過ぎてからこそ、人生最後に先立つものを確保するためには、やり直しのきかない「二択」の問題がいくつもある。そのうちのひとつが、「年金の受け取り方」だ。特に女性の場合、男性と平均寿命が異なるので、その“正解”も異なってくるだろう。
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「人生の後半戦」は年金だけでは不足する
まず知っておきたいのは、老後生活にどれくらいのお金がかかるのか。
総務省の家計調査によれば、夫婦ふたりの標準的な厚生年金額(2025年度)は月23万2784円。これに対し、支出の平均額は25万6521円で、毎月2万3737円の赤字となる。
ある程度の貯蓄や労働収入があればカバーできる金額に思えるが、これはあくまでも“平均的な生活費”での試算だ。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは、医療費や介護費用のリスクについて指摘する。
「生涯で1人あたり約2800万円かかると推計される医療費のうち、約5割が70代以降にかかるとされます。3割負担だと420万円程度で、70才以降は基本的には2割負担、75才以上だと1割負担になる人が多いですが、今後負担割合が増えないとは言い切れません。また介護費用は平均540万円という試算もあり、生活費に加えて1000万円ほどはあった方が安心できます」