閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
大竹聡の「昼酒御免!」

【昼酒御免!】壁にずらりの「超絶安い」絶品メニューが壮観! 「大宮駅前」昭和22年創業の居酒屋で“呑兵衛の先輩”の会話を肴に冷や酒を飲む楽しさ

冷や奴190円、ハイボール350円

開宴(2軒目だけど)にぴったりな黄金の組み合わせ

開宴(2軒目だけど)にぴったりな黄金の組み合わせ

 ところで、JR大宮駅から東武野田線に乗り換えると2つ目の駅が大宮公園で、公園内に大宮競輪場がある。競輪は1948(昭和23)年11月に北九州は小倉で始まったのだが、2か月後の1949(昭和24)年1月に、ここ大宮でも開始された。それが、東日本における競輪の発祥という。ちなみに、私がたまに訪れる東京の京王閣競輪の発祥は同年の11月で、長年、年末のグランプリレースを観戦していた立川競輪は1951(昭和26)年に始まっているのだが、大宮のほうが歴史は古いのだ。開業から今年で76年、すごいことだと思う。

 というのが、前振りで、何が書きたかったというと、今まさに足を踏み入れた「いづみや本店」の開業は1947(昭和22)年、大宮競輪よりさらに古い! というより、戦後すぐではないか。

 何年前だろうか。JRAの東京競馬場はもとより、南関東公営競馬場や、競輪場、競艇場を巡ってギャンブルしながら酒を飲むという有意義なレポートをしたためていたことがある。そのとき一度、その前にも一度、大宮競輪にはお邪魔をしていたし、先に書いた大宮公園駅を挟んで競輪場とは逆側は有名な盆栽町で、安い盆栽を探しに歩いたことも一、二度あったから、大宮駅周辺はまったく知らないわけではない。そして、そのたびに、この駅前の、かなり以前から古色蒼然と言いたくなるような絶妙な雰囲気を醸し出していた酒場を覗いたものだった。

 さっそく1杯、やろうじゃないか。頼むは赤星。最初のつまみは、煮込みといこう。

 待ってましたの赤星大瓶。いいねえ大瓶。このお店、なんと550円で出している。安い。安すぎる。嬉しい。さあ、飲もう。ケンちゃんと乾杯をしつつ、壁に貼りだしてある品書きの数々を見る。ああ、ここは昔、飲み屋というより食堂だったんだなあ、と有難い気持ちにさせるメニューがずらり。納豆250円、お新香290円、おお! 冷奴はなんと190円。私は30年以上物書きをしていて、この言葉を使うのはおそらく初めてだが、「超絶」安いのであった。

 ちなみに、この店の安さをもう少しだけお知らせすると、デュワーズのハイボール350円。ブラックニッカのハイボールは390円。このあたり、値付けが絶妙というか微妙というか、いずれにしても300円台という素晴らしさである。ちなみに、まぐろぶつも、390円とある。

 煮込みは、とても濃厚に見えるし、味わいは確かに深いのだけれど、しつこくはなく、白い飯にのせて掻きこんでみたいようなモツ煮である。「まるます家」を出てから、そろそろ40分くらい経つだろうか。時刻はまだ1時半になっていないが、この日2軒目の昼酒ビールも爽快だ。

次のページ:ハムエッグは素通りできない

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。