それに対して財務省が絶対ダメなのは玉木氏だと話すのは寺脇氏だ。
「玉木氏は財務官僚出身といっても、課長補佐クラスの主計局主査で退官して政治家になった。財務官僚にすれば、財務省出身だと行政経験を誇るなら、課長ぐらいにはなっていないと。“補佐クラスが何を言うのか”という意識でしょう」
また、寺脇氏は「本命・岸田、対抗・林」と見ているという。
「本来なら本命は野田さんです。消費増税を行なった実績がある。しかし、ここにきて消費減税を公約してしまった。事情はあるにせよ、一度減税を掲げた政治家が総理になって増税を言えば世論はついていかない。増税の実現は難しい。
その点、岸田前首相は財務省から見て使いやすい安全な総理という扱い。これまで財務省がコントロールしてきた実績がある。対抗はやはり扱いやすい増税派の林官房長官か加藤財務相と見ています」
それに対して前出の長谷川氏は、“大穴”の進次郎氏を本命に挙げた。
「財務省が進次郎に期待しているのは、使いやすいからです。吹き込めばその通りに動く。増税をやらせるには支持率がある程度高くなければならない。そのために財務省は進次郎を改革派の総理としてアピールする演出を行なうのではないか。財務省にとって関係ない農水省の権益や利権を進次郎にぶっ壊させる。そうして支持率を高くして増税に進ませる。財務省の後ろ盾を得た進次郎が総理になればその時点で勝負はつく」